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東ティモール

東ティモール 洪水被災者支援レポート 4月2日(木)

3月20日にBidau Masau小学校から情報を得て訪問したIvoniaちゃん(6年生。両親が昨年亡くなり、おじさんの家に身を寄せていたところ被災)の家をふたたび訪ね、Ivoniaちゃんのご近所9世帯に、みなさまからのご寄付でそろえた衣類を手渡し、現在の暮らしについて様子を伺ってきました。

Bidau Massau村の被災者に衣類の支援。Ivoniaちゃんのおじさん

Bidau Massau村の被災者に衣類の支援。Ivoniaちゃんのおじさん

Bidau Massau村の被災者に衣類の支援

Bidau Massau村の被災者に衣類の支援

Ivoniaちゃんが身を寄せているおじさん(お母さんの弟、現地NGOのドライバー)の家では、家の中の泥かきは終えて一応は住めるようにしているけれど、家周りの泥はそのままで、泥に浸かって使えなくなった寝台なども外に出したまま。そんな生活環境の中、Ivoniaちゃんたち兄妹が4人、おじさんの子どもが4人の合計8人の子どもが暮らしています。Ivoniaちゃんのおばさんは「国際赤十字からの米や魚の缶詰、インスタント麺などの食糧支援はもう使い果たし、洪水被災者支援事務局から聞き取りは受けたものの、支援物資はまだ受け取っていません。必要な台所用具は夫の勤め先が買ってくれたものを使っている状況です。」と話してくれました。

また、今まで公共の上水道から生活用水を引いて使っていたけれども、洪水で水道管が破損したため、自分たちでパイプを買って土を掘り起こし、応急処置をして使っているとのことでした。家の外壁には洪水に浸かった部分が湿ったまま跡が残っていて、日当たりも悪く、洗浄して消毒したいなぁという気分にさせられます。

Ivoniaちゃんが生活するこの地区(Bidau Massau村Sagrada Familia集落)は2本の川(Benemauc川とBemori川)の合流地点にあり、Benemauc川の氾濫と合流地点からの氾濫の両方の被害をまともに受けたのだそうです。合流地点から下流の橋のたもとではショベルカーが土砂のかき出し作業を続けていました。夜中に雨が降り出したりすると、いつまた川が氾濫するかと不安で眠れない、とIvoniaちゃんのおじさんは話していました。

2つの川が合流するIvoniaちゃんのおじさんの家の脇

2つの川が合流するIvoniaちゃんのおじさんの家の脇

橋のたもとでは土砂のかき出し作業が続いている。写真はIvoniaちゃんのおばさん

橋のたもとでは土砂のかき出し作業が続いている。写真はIvoniaちゃんのおばさん

続けて状況を視察したBecoraの元市場(Temporalと呼ばれている。Becora村Auhun集落)は、入り口の土砂がぬかるみになって残ったまま、住民が住んでいる建物の脇にも土砂が積みあがったままでした。集落の子どもたちや住民のおじさんたちが状況を話してくれましたが、子どもたち曰く、家の泥のかき出しはスコップを使って自分たちでやった、かき出した泥は家の前に集めて、そのまま誰も撤去しに来ていない、住民の多くが新型コロナウイルス感染を怖がって地方に帰り、今は空き家が多い、と話してくれました。

Becoraの元市場(Temporal)の入り口はぬかるんだまま

Becoraの元市場(Temporal)の入り口はぬかるんだまま

Temporalの中の様子。部屋の中からかき出した泥がそのまま積んである

Temporalの中の様子。部屋の中からかき出した泥がそのまま積んである

お母さんと表通りに逃げたという男の子

お母さんと表通りに逃げたという男の子

スタッフが帰ろうとすると、住民の男性が「こっちにあった家は全壊した」とTemporalの西側、氾濫した川沿いを案内してくれました。すでに全壊した家屋は撤去され、川沿いに砂利が敷き詰められていました。全壊した世帯には政府がトタン板の仮設住宅(住宅とはとても呼べないけれども雨風をしのぐことはできる)を作り、そこにみなしばらくはいたけれどもこの新型コロナウイルス騒ぎで地方に帰っていった、とのこと。大統領夫人が食糧を支援してくれたり、国際赤十字と洪水被災者支援事務局がニーズを聞き取りに来たりしたけれども、予算がないため支援はまだ受けていない、この環境で生活を続けていくのは大変だけど、仕方がない、と話していました。

川の右側にはかつて住宅が立ち並んでいた

川の右側にはかつて住宅が立ち並んでいた

全壊した住宅の内側に仮設の小屋を建て、住宅は撤去

全壊した住宅の内側に仮設の小屋を建て、住宅は撤去

みな地方へ帰って行った。いつ戻ってこられるかは分からない

みな地方へ帰って行った。いつ戻ってこられるかは分からない

このTemporalには共同のトイレ(とても衛生的とは言えない)や共同の水場があり、水が比較的豊富に出ていることは幸いでした。洪水で押し倒された門をジャングルジム代わりに遊んでいる元気な子どもたちも救いでした。

Temporalの共同トイレ

Temporalの共同トイレ

倒れた門扉をジャングルジム代わりに遊ぶ子どもたち

倒れた門扉をジャングルジム代わりに遊ぶ子どもたち

非常事態宣言により洪水被災者支援事務局との物資配布がままならない状況が続いていますが、事務局が置かれている民間防衛庁の長官が、4月1日テレビのニュースで「洪水被災者が支援を必要としている状況であることは理解しており、非常事態宣言下で新型コロナウィルス感染予防を遵守しながら支援を続けるにはどういった方法があり得るかを検討している」と話をしていたので、近く具体的な活動方針が出されることを期待しています。

(東ティモール事務所 伊藤 淳子)

※この事業はジャパン・プラットフォームからの助成と皆さまからのご寄付で実施しています。