特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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ガザ緊急支援の活動報告

  • コラム

2023107日から4ヶ月が経ちますが、未だに停戦への道筋が見えないまま、ガザ地区では未曾有の人道危機的状態が続いています。2024年2月12日時点で、イスラエルによる空爆や地上侵攻による攻撃で死傷者は27,708人以上に上ります。これはガザ地区の人口220万人に対して100人に1人以上が殺されたことになります。また人口の約80%にあたる170万人が国内避難民となり、中部および南部で避難生活を余儀なくされています。パルシックは、中部および南部で避難生活をしている人たちへの緊急支援として、仮設トイレの設置、現金給付および食料配付を行いました。

避難場所での仮設トイレ設置

今年の1月上旬からガザチームが精力的に進めてきたラファ県の3つの避難場所での仮設トイレ設置が完了しました。避難場所と言っても、避難民となったガザの人びとが更地や道端に自分たちで建てたテントや、木枠にナイロンシートをかぶせて作った仮設小屋で雨風をなんとかしのいでいるに過ぎません。パルシックがトイレを建設した避難場所には計211世帯(約1,350人)が避難しており、北部からの避難民も多く身を寄せ合っていました。この地域には仮設トイレが十分になく、避難民はテントの隣に穴を掘ってトイレとして使ったり、男性はモスクのトイレを、女性は近所の個人宅のトイレを借りたりするしかなく、圧倒的にトイレが不足していました。

ガザチームにとっては初めてのトイレ建設でしたが、建物の設計を得意とし、これまで羊小屋の設計を監修してきた畜産専門家のマフムードを中心に、工務店や他団体が実施しているトイレ事業からも情報を得ながらトイレを設計しました。また、飲用水はもとより、生活用水も不足している状況ですが、トイレの上に水タンクを設置して、周辺地域住民の協力を得て水を手配しました。下水はトイレからパイプをマンホールまで伸ばし、行政の下水道に繋げることで、汚水が垂れ流しにならないよう配慮しました。

避難民の皆さんの衛生環境を改善するだけではなく、安心して使えるためにも、綺麗なトイレは必要不可欠です。避難場所では、避難してきた人たちが助け合って生活し、生活環境を整えるため役割分担しています。トイレの管理もそれぞれの避難場所の人に任せていきますが、ガザチームも避難場所の人に安全かつできるだけ快適に使っていただけるよう、フォローしていきます。

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資材を調達後、トイレの床に穴をあけて便器を設置した様子。
パレスチナでは洋式トイレが広く使われていますが、洋式便器の調達が困難だったためアラブ式(日本では和式と呼ばれますが)の便器を設置しました

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トイレ内に手洗い場も設置しています

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汚水パイプは行政の下水道に繋がっています

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パレスチナではトイレットペーパーも使いますが、同時に手動ウォシュレットも必須です。写真の左奥の壁にかかっているホースが手動ウォシュレットです

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避難場所に避難している女性がトイレの完成を喜んでくれました。設置場所のうち1か所では、午前6時から午後9時までを女性が利用、午後9時から午前6時までを男性が利用とルールを決めており、特に女性が安心して利用できるよう工夫しています

乳製品加工工場を運営する女性組合員への現金給付

パルシックがこれまで支援してきたラファ県の乳製品加工工場を運営する女性組合メンバー、生乳や加工品の運搬担当者、加工品の営業担当者および会計担当者に現金給付を実施しました。女性たちのほとんどが親せきや知人の家、あるいは国連機関の学校などに避難しており、苦しい生活を余儀なくされていました。107日以降、乳製品加工工場は稼働を停止しています。乳製品を作って販売することで収入を得ていた女性たちは、現在収入がほぼない状態で、物価の高騰も相まって貯金を切り崩して生活しています。そのため、現金の支給はとても助かると安堵されていました。

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現金を受け取り日本の皆さんにお礼を伝えて欲しいと語る女性組合員たち。中央のメンバーの腕の中には、戦争のさなかに生まれたばかりの赤ちゃんがいます

ハンユニス県で900世帯に食料バスケットを配付

28日および9日の2日間で、ハンユニス県で避難生活を送っている、もしくは自宅に避難民を受け入れているホストファミリー900世帯を対象に食料バスケットの配付を行いました。ハンユニス県内で調達した缶詰や豆類、また農家から仕入れた新鮮な野菜を中心に配付しました。ガザ中・南部でも空爆や襲撃は続いており安全な場所はなく、通信環境も非常に悪い状況が続いていますが、配付場所での混乱を防ぐため、配付時間の調整や、避難先コミュニティの代表者にまとめて受け取りに来てもらうなどの対応をしました。

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パルシックのガザチームと提携団体のスタッフで配付物資のサンプルチェックを行いました

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野菜の大きさが同じになるよう検品し、痛んだ野菜は抜き取るなど品質管理も入念に行いました

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配付した食料(肉・野菜・豆の缶詰、パスタやレンズ豆などの乾物)

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無事に食料バスケットを受け取とることができて安堵した表情を見せてくれた男性(写真中央)

今後も安全に最大限の注意を払いながら、食料、衛生用品および生活必需品の配付、また避難場所の環境改善支援を継続していきます。皆さまからの温かいご支援を引き続きよろしくお願いいたします。

(パレスチナ事務所)

※この事業は連合愛のカンパ中央助成、ジャパンプラットフォームからの助成および皆さまからのご寄付により実施いたしました。

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