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パレスチナ

パレスチナ・ガザ地区の農家への緊急食糧支援のお願い

2018年3月30日の「土地の日」に、イスラエルとの停戦ライン「緩衝地帯」沿いで始まった市民による大規模デモの影響はガザ地区の主要産業である農業にも及んでいます。パルシックは収入を失った農家世帯に対し、緊急食糧支援を実施します。ご寄付でのご協力をお願いいたします。

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緩衝地帯の農地に上がる黒煙

緩衝地帯の農地に上がる黒煙 

「天井のない巨大な監獄」ガザを取り巻く状況

 2014年よりパルシックが支援を行うパレスチナ・ガザ地区は、2007年以降イスラエルの軍事封鎖下にあり、陸空海すべての領域の移動の自由を制限された「天井のない巨大な監獄」と化しています。また、2008~2009年、2012年、2014年と、3度にわたるイスラエルの大規模な軍事侵攻により、逃げ場のない3,500人以上の市民が犠牲となりました。

 ガザ地区では、食糧・医療品・日用品を含めた慢性的な物資の不足により、人口の8割が人道支援に依存し、4割が十分な食料を確保できていないといわれます。これに加え、日常的な電力供給カット(1日の停電時間は20時間以上)、水の問題(ガザ地区の主な淡水源である地下水の98%が飲料水に適さない、破壊や停電による汚水処理場の機能不全など)、高い失業率(ガザ地区の人口の約2人に1人が失業状態)などが基本的人権にかかわる喫緊の課題となっています。国連は、2年後の2020年までにガザ地区は人が住むのに適さない状況になると警告しており、ガザの人びとは深刻な人道危機にさらされています。

境界線フェンス沿いに集まるデモ隊と銃を構えるイスラエル兵士 (引用:“Issue 243, July 2018,” This Week in Palestine, http://thisweekinpalestine.com/wp-content/uploads/2018/06/july-2018-243-12.pdf)

続く大規模デモとガザ地区の農業への影響

 2018年3月30日の「土地の日」[1] に、イスラエルとの停戦ラインと「緩衝地帯」[2] 沿いで市民が大規模なデモを始めました。デモ開始から3カ月以上経った今もなお、市民はデモを継続しています。ガザ地区の人口の7割は現在のイスラエル地域からの難民です。「帰還の大行進」[3] と称され現在も続くこの市民デモは、人びとが難民の「帰還権」[4] を求めて行っているものです。しかし、イスラエル国境警備隊は緩衝地帯に集まったデモ隊を催涙弾やゴム弾、実弾で攻撃し、6月7日時点で15人の子ども、2人の医療関係者を含む131人のパレスチナ人が殺害されました。負傷者は13,900人以上に上り、2014年のガザ攻撃の負傷者数を上回る規模となっています[5] 。デモ参加者を狙った陸、空両方からの攻撃により、死傷者の数も拡大しています。

 影響はガザ地区の主要産業である農業にも及んでいます。緩衝地帯沿いの農地では、イスラエルとの緊張の高まりによって農地へ行くことができない多くの農家が耕作期を逃し、また農地や農業インフラが破壊されるなどの甚大な被害を受けています。デモが行われている緩衝地帯に近い農地で働いていた農家さんが射殺される事件も起こりました。もとより、11年にわたる軍事封鎖と3度の軍事侵攻、海外への作物輸出の制限や、農地の破壊、日常的な農家への射撃の危険によって、ガザ地区の大半の農家が、農地へのアクセスを著しく制限されています。アクセス制限地区(Access Restriction Area)として、イスラエルとの停戦ラインからガザ内部1㎞がアクセスできない土地となっていますが、その多くは農地であり、ガザ地区の農地の35%を占めています。電気供給が不安定な中、電気が来る深夜や早朝に、イスラエル国境警備隊に撃たれる危険を冒して農地の給水に出かける農家さんはたくさんいます。コミュニティやガザ全体でも市場や農地の縮小といった喫緊の課題に直面しています。

 人口の2人に1人が失業状態、約8割が何らかの人道支援に頼らなければ生活を送ることができない極限の状況にあるガザ地区。しかし、自ら稼ぎ、収入を得て生活するということは、人間的な生活を営むための最低限の条件です。ガザ地区の人びとにとってもそれはまったく変わりません。

 以下に紹介する3人の農家さんは、長らく農業に従事してきましたが、今回の大規模デモの余波を受け、収入を失い、今後農業を続けるにあたり、危機的な状況に置かれています。

フアード・モハメッド・イスマイール・アブ・トゥアイマさん

 フアードさんは、ハーン・ユニス県に住む38歳の農家で、6人家族の稼ぎ頭です。13年間農業に従事してきた彼にとって、農業は家族のニーズを満たし、まともな生活を送るための唯一の収入源でした。フアードさんは、所有する2ヘクタールの土地で主にトマトやタマネギを栽培していました。

 しかし、「帰還の行進」はフアードさんに思わぬ不幸をもたらしました。フアードさんの農業機械は市民とイスラエル国境警備隊の衝突に巻き込まれて完全に破損し、今年の収穫量すべてを失うことになりました。そして、およそ1万ドル(日本円でおよそ120万円)に及ぶ損害を被った彼は、土地を再耕することができなくなりました。情勢の悪化によって畑は焦土と化し、フアードさんは農作物、そして灌漑水路を失うことになりました。

ガレブ・スレイマン・ハサン・アブ・スナイマさん

 ラファ市の農家で34歳のガレブさんは12年間農業に従事してきました。1.9ヘクタールの畑を耕して生まれる収入で、9人の家族全員を養う必要がありました。

 ガレブさんも「帰還の行進」デモの余波で苦しんでいる農家の1人です 。農業機械や所有物すべてが破壊され、ガレブさんは今季の耕作機会を失いました。これは今季のみの影響にとどまらず、再び畑を回復し、家族を養うために必要な収入すべてを失うこと意味します。作物、灌漑用水、灌漑池やポンプの損壊など、ガレブさんが被った畑の被害は、大規模な砲撃や火災によるものでした。

ガザ地区東部、家畜小屋を破壊された農家(写真提供:PARC Gaza)

緩衝地帯の農地、耕作期を逃し枯れた農作物(写真提供:パルシック・ガザスタッフ)

ガザ市で暮らすムスバー・アベッドさん

 ガザ市の専業農家ムスバー・アベッドさんは、35人家族の大黒柱です。今回のデモの余波を受け、先一年間、所有農地の8割が耕作不可能な状態となりました。以前導入した農業機械のローンに加え、年間収入の7割が子どもの学費に充てられるため、耕作農地8割の損失は想像を絶する被害です。

「今私が望むのは、農地が再び緑となって生産性を取り戻し、家族のニーズを満たせるだけの仕事を続けることのみです。先祖と同じように、子どもたちが農業を実践できるよう、負債を返済し、子どもたちを学校に送り続けたいです。」

被害を受けた緩衝地帯の農地

被害を受けた緩衝地帯の農地

[1] 1976年、現在イスラエル領のガリラヤ地方にて、大規模な土地の接収に反対するパレスチナ人デモ隊にイスラエル治安部隊が発砲、死者6人を出したことを記憶する日。
[2] ガザ地区とイスラエルとの境界沿いに設けられた幅500メートル、長さ10キロの立ち入り禁止区域。
[3] 70万人以上の難民を生んだ1948年5月15日の「ナクバの日」から70年を記憶するために、2018年3月30日の「土地の日」から始まった市民のデモ。
[4] 1948年国連決議194で難民は自らの村に帰る権利があることが合意されたが、イスラエルは認めていない。
[5] UNOCHA, “Humanitarian Snapshot, 30 March – 7 June.”

ご寄付にご協力ください

封鎖下において常態化する貧困、そして近日の悲惨な状況に対応するために、皆さまのご協力が必要です。

あなたのご寄付でできること

パルシックは収入を失った農家世帯に対し、農機具の配布あるいは食糧支援を実施します。ご寄付でのご協力をお願いいたします。

 1家族の約1か月分の基礎食品バスケット(12 kg): 7,000円
 支援を必要としている農家:3,000世帯
 目標金額:200万円

皆様からいただいた寄付金は、現地の農業系支援団体Palestine Agricultural Relief Committee(PARC)を通じて、ガザの人びとに届けます。

ご寄付の方法

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郵便振替で

郵便振替口座:00100-9-296658
●口座名:緊急支援
●通信欄:「パレスチナ緊急支援への寄付」 とお書きください。

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個人によるご寄付で受けられる控除について

NPO法人パルシック(以下、パルシック)は2017年11月1日に東京都より認定NPO法人として認定されました。これにより、パルシックへのご寄付は、確定申告によって所得税、法人税、相続税などの寄付金控除を受けることが出来ます。

※確定申告にはパルシック発行の領収書が必要です。

<所得税の場合>

確定申告をすると、寄付金額合計の40%の税金の還付を受けることが出来ます。所得税の控除は、税額控除、所得控除から有利な方を選ぶことができます。多くの場合は、税額控除を選択するほうがより多くの金額が控除されます。