特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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インドネシアから輸入した菊の苗が咲きました!

  • 活動レポート

7月にインドネシアからの菊の苗第1便が届きました。輸出する側も輸入する側も初めてということもあり、苗の品質管理、梱包の仕方、東ティモール国内に到着してからの手続き等に手間取り、受け取った段階で傷んでしまっている苗が多くありました。税関を通過して受け取ったその日に、首都ディリから40分ほどのダレという村にある、共に事業を実施している地域社会組織・ISMAIKに持っていき、少しでも多くの苗を救うべく、移植作業を夜通しおこないました。

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届いた苗を選別

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菊の苗が元気になるまで涼しい気候のダレで様子をみる

その甲斐あって、1ヶ月後には弱っていた苗も元気を取り戻し、活動地の一つ、アイレウ県アイレウ郡の女性グループCana Floraで準備していたグリーンハウスに植えることができました。初めての作業ということもあり、フラワーネットの間に植えていくことにも時間がかかりました。

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菊の苗の定植作業

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定植、お疲れ様でした♪の一枚

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エンジニアチームが設置した井戸。十分な量の水を確保できているが、ホースでの水やりには時間がかかる

そこからは、温湿度の管理、朝夕の水やり、日照と電灯照明の管理、有機たい肥を使用した土壌改良、草抜き等日々の手入れをおこないました。2か月が経過した頃、発育不良の苗が見られたため、化学肥料も少量使用しました。その結果、茎の太さも十分になり背丈も伸び、電灯照明によるコントロールもうまくいき、東ティモールのお盆時期で花卉(切り花)の需要が年間でもっとも高い10月末に開花時期を合わせることができました。

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フラワーネットを上げて背丈が高くなった菊が折れたり曲がったりしないように管理

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開花したアスター

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開花した孔雀アスター

出荷を控えた10月末にはCana Floraの代表者とディリ市内の生花店4軒を訪問し、現在の仕入れ先、仕入れ価格と量、販売価格、売れる時期、求める品質などについて聞き取りをしました。

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生花店を訪問する女性グループメンバー

しかし、実際にお店との具体的な交渉が始まると、丹精こめてつくった花を少しでも高く売りたい女性たちと、インドネシアから輸入している花と同等の品質の花を同程度の価格で買いたいディリの生花店とで、お互いが納得いく価格に落ち着かせることができず、生花店への納品は難航しました。お盆には女性たちが直接ディリに出てきて、墓地近くの路肩で花を販売しました。

そんな中、東ティモール国産の花卉を流通させたいという夢を共有するディリの生花店経営者マリアさんが、11月末にアイレウ県、アイナロ県の女性グループを訪問してくれました。マリアさんのお店だけで最低でも1週間に7千本が必要とのことで、今の栽培規模ではディリにある生花店すべての需要を全く満たせないことを認識しました。また、実際に育っている花を見て、花の品質や茎の強さ、日持ちの良さはインドネシア産の花卉と遜色はないとお墨付きをもらえましたが、花が大きすぎたり、多くつきすぎていたり、色が薄く時期をすぎて収穫されていたりと、1本あたりの花の数や葉の管理については課題があると指摘を受けました。マリアさんが直接訪問してくれたおかげで、今後クリアしていくべき課題を一つずつ、栽培する女性たちとともに明確にすることができました。

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マリアさん(左から2人目)の訪問を機にディリへの定期納品がはじまりました!

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マリアさんのお店で受けたウエディングアレンジにもCana Floraの花を活用

東ティモール国営テレビ放送でアイレウ県女性グループの花卉栽培の様子をとりあげていただきました

アイナロ県マウベシ郡の3つの女性グループ(Feto Buka Moris、リティマ、ロビボ)は、コーヒー収穫がひと段落した8月から花卉栽培の準備を開始したため、アイレウ県よりも遅いスタートとなりました。リキサ県レオレマ村にある「ニコラウ・ロバート研修センター」で研修を受けた3人が小規模に栽培を始めていましたが、グリーンハウスや畝を作る作業は夫や息子さんたちにも手伝ってもらう必要があるため、先に栽培を始めていたお隣のアイレウ県に女性やその夫たちを派遣し、研修を実施しました。

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Cana Floraでの研修の様子

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研修では苗床づくりを一緒に実践

この研修では、グリーンハウス設置のポイントや、土づくり、フラワーネットづくり、苗床づくり、日々の手入れについて実践を通して学んでもらいました。女性たちはCana Floraの栽培実績に強く感化されたようで、それぞれのグループに戻ってさっそく実践を開始しました。10月初旬には第2便の菊の苗がインドネシアから届き、Cana Flora、リティマ、Feto Buka Moris3つの女性グループで植えました。現在、1月下旬ごろの開花に向けて、女性たちが日々の手入れを続けています

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インドネシアからの苗を選定するアイナロ県リティマの女性たち

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防虫、除草、支柱の手配など、このグループの畑はとてもよく管理されています

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技術の高いFeto Buka Morisメンバーの畑ではスターチスも試験栽培

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高さがあり風通しもよく、耐久性のある工夫をこらしたロビボのグリーンハウス

(東ティモール事務所 林 知美)
※この事業は外務省NGO連携無償資金の助成と皆さまからのご寄付により実施しています。

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