ガザ緊急支援 ― 子どもたちに「好きな服と靴を選ぶ喜び」を届けて
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戦争が始まってから3度目の夏を迎えているガザ地区では、多くの子どもたちが厳しい暑さのなか、テントなどで避難生活を強いられています。ガザの8割近い家族が収入を失っているなか物価が上昇し、食料や水などを優先せざるを得ないため、新しい服や靴を購入する余裕がありません。
パルシックは、2025年12月にも、慢性疾患の子どもや親を亡くした子どもたちに冬服を届けました(記事:ガザ緊急支援:慢性疾患を抱える子どもや親を亡くした子どもに冬服を届けました| パルシック)。その後も、子ども達を支える支援団体や避難民キャンプの代表などから、「戦争が始まってから、一度も新しい洋服を手にしていない子どもがたくさんいるので、配付を続けてほしい」という支援要請が寄せられていました。こうした要請を受けて、2026年7月下旬にガザ地区中部県で、がんや腎臓病などの慢性疾患を抱える子ども、戦争で親を亡くした子ども、脳性まひのある子どもなど、計480人に夏服と靴を届けました。この活動は、皆さまからのご寄付により今回4回目となる活動を実施しました。ご支援してくださった皆さまに心から感謝申し上げます。ガザスタッフから届いた活動の様子をご紹介します。

受付で、子ども一人ひとり名前を名簿と照合する様子

子どもたちが保護者と一緒に洋服と靴を選ぶ店内の様子
ガザスタッフからのレポート
パルシックは、ガザ地区中部デイル・アル・バラ市の洋服店の協力を得て、夏用の子ども服上下2セットと靴を届けました。病院や透析クリニック、脳性まひの子どもを支援する団体などと密に連携し、これまで服や靴の支援を受けていない子どもたちを優先させていただきました。

車いすで来店した子どもと保護者。安心して服を選べるように、パルシック職員や洋服店スタッフも試着を手伝いました
猛暑が続くガザで、子どもたちの多くはテント生活を余儀なくされています。暑さのなかでは毎日の着替えが欠かせませんが、替えの服を十分に持っていない子どもが少なくありません。また、ボロボロの靴を履いている子どもや、素足で歩いている子どもが多いことから、瓦礫から足を守るためにも靴が必要です。今回も、子どもたちには店で実際に試着しながら、好きな色やデザインの夏服と靴を自由に選んでもらいました。戦争が始まって以来、多くの子どもたちが、日々の暮らしの中で、自分で好きなものを選ぶ自由を失っています。服や靴を選ぶ時間を通して、戦争前は当たり前だった「自分で好きなものを選ぶ喜び」を少しでも取り戻してほしいという想いで、この活動を行いました。

好みの服を選ぶ少女
サラさん(10歳)の声

好みの夏服と靴を選んで喜ぶサラさん(左)とお母さん(右)
私は肝臓の病気を患っていて、肝臓移植が必要な状態です。今も通院を続けていますが、病気を抱えながらの避難生活はとても大変です。
私はお母さんに、何週間も前から「新しい夏服が欲しい」と言い続けていました。しかし、家には新しい服を買う余裕はなく、ずっと我慢していました。パルシックから支援の案内をもらった時は、本当に嬉しかったです。夏服と靴を選びに行く前の夜は、嬉しくてなかなか眠れませんでした。朝が来るのを今か今かと待っていました。
私は洋服店で気に入った夏服を選びました。それ以降、選んだ好みの服を着ることが嬉しくて、お母さんにも何度も見せています。また、それまで履ける靴がなかったので、新しい靴を履いて病院に行けるようになったことも嬉しいです。いつも診察してくれる病院の先生が「サラ、新しい服がとても素敵だね」と言ってくれました。いつも古い服を着て通院していた私が新しい服を着ていたので、先生はすぐに気づいてくれました。本当に嬉しかったです。お母さんも、私が前より明るくなって喜んでいます。
アハラムさん (12歳)の声

好みの夏服上下セットを着て笑顔を見せるアハラムさん
戦争が始まる前は、ガザ北部のベイト・ハヌーンに住んでいましたが、今は中部のテントで避難生活を続けています。近視と斜視に加え、網膜にも病気があるので、今は手術を待っています。戦争が始まってから、家族の生活は苦しくなり、新しい服を買ってもらうことができませんでした。今回、新しい夏服と靴をもらうことができて、とても嬉しいです。病院で診察を受けるときや入院するときに、新しい服を着て行けることをとても楽しみにしています。日本の皆さんが私たちを大切に思ってくださり、嬉しいです。

「戦争によって奪われた子ども時代を返して」と歌う、この地域で広く知られた曲のメロディに自分の思いを重ね、「私たちの奪われた尊厳を返して」と歌ってくれた少女。
戦争が始まってから3年が経とうとするガザでは、今でも毎日空爆が続いています。しかし、ガザの現状を伝える報道は大きく減っています。パルシックは、子どもたちに、束の間でも好みの服と靴を自由に選んでもらうことで、「自分たちのことを忘れずに大切に想ってくれている人がいる」と感じてもらえたらと願っています。日本でご寄付をしてくださった皆さまに、心から感謝いたします。パルシックはこれからも、子どもたちの苦しみを少しでも和らげ、困難な状況を乗り越える支えとなるよう、継続的な支援活動に取り組んでいきます。どうか引き続き温かいご支援をお願いいたします。
(パレスチナ事務所)
※この事業は皆さまからのご寄付により実施しました。
