特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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東ティモールでコーヒーのある場所を巡って② コーヒー農家を訪ねて

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5月末にマウベシで活動を始めてから、コーヒー生産者組合コカマウ(COCAMAU)のスタッフとともにコーヒー農家を訪ねています。これまでに訪れたのは、家のすぐそばにコーヒーの木が育つ農家や、木々に覆われた急な斜面に農園が広がる場所などさまざまです。今回は、いくつかの農家で見聞きしたことを交えながら、農家を訪ねる様子について紹介します。

マウベシのコーヒーの収穫期は、5月中旬から9月ごろまでです。雨季から乾季へ移り変わる時期ですが、山間部では雨や霧に見舞われる日も少なくありません。濡れた葉をかき分け、ぬかるむ斜面に足を取られないようにしながら農園へ向かいます。コーヒーの木は、背の高い木々がつくる木陰の下で、周囲の植物に溶け込むように育っています。

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雨のなか、コーヒー農園の斜面を歩きます

農家に着くと、専用のモニタリングシートを使って、収穫後の加工や保管の状況を聞き取ります。熟したコーヒーチェリーを選んで収穫しているか、果肉を取り除く前にパルパーを清掃しているか、豆を十分に洗っているか。さらに、保管場所が清潔か、薬品や燃料から離れているか、加工したコーヒーをロットごとに分けているかなど、確認する項目は多岐にわたります。

乾燥後のコーヒーについても、見た目やにおい、色、水分の状態などを確かめます。必要に応じてサンプルを採取し、問題が見つかった場合にはその場で改善できることがないかを農家の方と確認します。

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モニタリングシートに沿って、加工や保管の状況を聞き取ります

まだ登録されていない農園では、GPSを使って位置情報を記録することもあります。木々に覆われた農園のなかを歩き、農園の範囲を地図データに残します。傘をさしたり、レインコートを着たりしながら機器を操作する日もあります。

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雨のなか、GPSで農園の位置情報を記録する様子

訪問先では、収穫後の加工を実際に見せてもらうこともありました。赤く熟したコーヒーチェリーは手で摘み取られ、パルパーにかけて果肉を取り除きます。写真のような手動式のパルパーでは、チェリーを上から入れ、ハンドルを回して作業します。

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手動のパルパーを回し、コーヒーチェリーの果肉を取り除きます

果肉を取り除いた豆の表面には、ミューシレージと呼ばれるぬめりのある粘液質が残っています。農家では、それをバケツなどの容器に入れて一定時間発酵させ、その後、水で洗って粘液質を落とします。発酵にかかる時間や容器、洗い方は農家によって異なり、モニタリングでも確認する項目の一つです。

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果肉を取り除いたコーヒー。発酵方法や洗浄方法も確認します

洗浄した豆は、天候を見ながら乾燥させます。ある場所では、コーヒー生産者組合のスタッフが材料を持っていき、農家の方たちといっしょに竹を組んでアフリカンベッドと呼ばれる、豆を乾燥させるための台を設置しました。地面から離した網の上に豆を広げることで上下から風を通しながら乾燥させることができます。また、屋根にビニールを張ることで急な雨で直接コーヒーが濡れるのを防ぎます。

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竹を組み、コーヒーを乾燥させるアフリカンベッドを設置

一方、家の近くにござやビニールシートを敷き、その上に豆を広げて乾かしている農家もあります。均一に乾くよう、ときどき豆を動かしながら少しずつ水分を抜いていきます。雨が降れば急いで取り込まなければなりません。収穫期にも雨や霧が続くマウベシでは、乾燥に時間がかかることがあります。十分に乾ききっていない豆を目にすることもよくあり、乾燥が天候に大きく左右されることを感じます。

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家のそばで、収穫後のコーヒーを乾燥させている様子

農園の立地も使う道具も、加工や乾燥の方法も、一軒ずつ異なります。一方で、家のそばにコーヒーの木があり、子どもたちがたくさんいて、収穫や加工が日々の暮らしのなかで行われていることは訪問するたびに感じます。聞き取りの合間には、コーヒーや食べものを出していただくこともあります。コーヒーを農家の家でいただきながら雑談する時間も、訪問のなかで大切にしたい時間の一つです。言葉をすべて理解できるわけではありませんが、同じコーヒーを飲みながらしばらく一緒に過ごすことで、少しずつその家の暮らしが見えてくるように感じます。

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聞き取りの合間には、よくコーヒーとお菓子をいただきます

日本でカフェをしていたころに触れていたコーヒーは、すでに乾燥や精製を終えた豆でした。けれど農家を訪ね、赤い実から一粒の豆になるまでの作業を見るうちに、それまで知識として理解していた工程が少しずつですが具体的な風景と結びつくようになりました。熟したコーヒーチェリーを一つ一つ手で摘み、果肉を取り除き、発酵させ、洗い、空模様を見ながら乾かし、選別し、清潔な場所で大切に保管する。その一つひとつがコーヒーの品質につながっているのだと思います。

(東ティモール事務所 藤岡慶太)

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