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【越冬支援ご報告】アルサールの小学生に手編みマフラーを配付しました!

  • 活動レポート

2021年11月から実施していた、レバノン北部アルサール シリア難民越冬支援にご支援をいただいた皆様、誠にありがとうございました。いただいたご寄付でバールベック・ヘルメル県アルサール市の小学校に通うシリア人やレバノン人の生徒たちに手編みのマフラーを配付しました。厳しい冬の寒さとコロナ禍の中で、子どもたちは体を暖かくして健康に学校に通うことができました。

今シーズンの冬は例年以上に厳しいものでした。ここ数年は12月末から1月初旬に降雪が始まり、3月初旬には雪は収まっていくというのがパターンになっていましたが、今シーズンは雪の降り始め時期こそ、ここ数年の傾向とさほど変わりはなかったものの、積雪を伴う冬の嵐が何度も何度もレバノンを襲い、それが3月末まで続いたのです。

特に1月は連日の氷点下の気温や積雪のため、アルサールの学校では休校が続き、冬休みが明けた1月11日以降、7日間しか学校を開くことができないような状況でした。

アルサールに降り積もった雪。写真の下半分は難民キャンプのテント

テントのシートが飛ばないようにタイヤを上に載せている

ベカー県の難民キャンプのテントに住む女性も同様に厳しい状況に置かれていました。標高約1,500mのアルサール市に比べて、ベカー県は標高約1,000mとアルサールほどではないものの、降雪もあるような地域です。11年前に始まったシリア危機以来、長年難民としてテントに暮らし、難民に対する就業制限や、2019年に深刻化した経済危機のために働くことが難しく、94%が生存するのに最低限必要な金額以下で暮らしています。

今回の越冬支援の物資として、ただ単に外国から輸入してきた安い製品を買うということもできましたが、こうした経済的に厳しい状況に陥っている人びと、特に女性の生計支援にもなるよう、毛糸玉や編み棒を買って女性に工賃を支払ってマフラーを作ってもらうという方式をとりました。こうすることで、いただいたご寄付を毛糸製品を受け取る子どもたちへの防寒具支援だけでなく、それを作るシリア人女性の生計支援にもすることができました。

もともと編み物が得意な女性が多く、こちらがお願いしたわけでもないのに、装飾をつけてくれたり、単色ではなく複数の色の毛糸を使ってボーダー柄にしてくれたりしました。このように人びとの持つ能力・回復力(レジリエンス)をいかに引き出すような支援ができるかは、非常に重要なことであると考えています。

サンプルで作ってくれたマフラー。お花の飾りが素敵です

今回、手編みのマフラーを1,224枚作り、アルサール市の私立小学校の1~6年生1,224人に配付することができました。

配付報告

ご寄付総額:730,239円
配布内訳:手編みのマフラー 1,224枚(小学生1,224人)

配付したシリア人女性の手編みマフラー

さっそくマフラーをつける子どもたち

マフラーを巻いてポーズ

温かなご支援をいただき、ありがとうございました!

(レバノン事務所 風間)

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