タイ国境地域、親と離れて暮らす子どもたち
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2025年4月に開始したタイ国境地域の事業において、国境地域に点在する「移民学習センター(MLC)」の修繕が順調に進んでいます。

増設中の新校舎。4月の状態(左)と6月の状態(右)
親がミャンマーで暮らしている子どもたちはMLCの寮で生活しています。未就学児であっても、親元を離れて暮らさざるを得ない子どももいます。

3人の子どもと現地団体スタッフ。左から10歳、10歳、13歳。親はミャンマーにいる
メーソート北部のあるMLCでは、5歳から10歳の生徒約50人全員が、寮で暮らしています。
寮の朝は早く、子どもたちは毎朝5時に起き、7時に朝食(白米)。8時から授業。12時の給食(お粥)をはさんで15時過ぎまで勉強したあと、16時に水浴びと洗濯。18時に夕食(白米)を食べ、21時に就寝です。MLCには菜園があり、食事には野菜が付くこともあります。
寮なので、3食すべて自分たちで作ります。高学年の子どもたちが4人ずつ6つのグループに分かれ、当番制で食事を作ります。

15時から夕食の準備を始めた今日の当番の子どもたち
年上の男の子たちは、火を起こすのに必要な木を伐りに行きます。野菜や穀物、鶏を育てるのも子どもたちの仕事です。木を伐るのも、育てるのも、それぞれ当番の子どもたちが担当しています。
さらに、増え続ける入学希望者に対応するため、新しい校舎の建設が進められており、空き時間には、大人も子どもも皆で土を運んだり壁を塗ったりと力を合わせて働いています。

校舎建設に使う土をバケツで取りに行く子ども。坂の上に土があり、坂の下に校舎がある
全部自分でやる子どもたちですが、初めてMLCに来て親と離れるときには、多くの子が涙を見せます。同じようなことを経験してきた周りの子どもたちは、新しく来た子の気持ちに寄り添い、励まします。そんな日々を重ね、一年もたつころには、小学校低学年の子どもでも、自分の身の回りのことをしっかりとこなせるようになっているのです。
栄養不足で身体は細いですが、心はたくましい子どもたちばかりです。
(東京事務所 ミャンマー事業担当)
*この事業は、ジャパン・プラットフォームの助成と皆さまからのご寄付で実施しています。