特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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給水支援とガザ緊急支援サポーター200名達成のご報告

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ガザが未曾有の人道危機に陥り、まもなく2年が経とうとしています。今も全域で激しい攻撃が続き、食料も水も圧倒的に不足するなか、人びとは二度目の暑い夏を迎えています。

食料については、822日、国連などによる「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」で、ガザ市が最悪の段階である「飢饉」に達したと正式に発表されました[1]。水の状況も深刻です。20257月末時点で、1人あたり129リットルしか確保できておらず[2]、人道危機下で基本的な生存と健康を維持するために必要とされる最低水準の15リットルを大きく下回っています。

もともとこの地域は天然の水資源が少なく、海水を淡水化して利用してきました。特に、軍事封鎖下にあるガザ地区では水不足が深刻で、イスラエルで大規模な淡水化装置によってつくられた水に頼っていましたが、107日以降はその供給がほとんど止まっています。ガザ内にも淡水化装置はありますが、稼働には電力が必要です。しかし、2025年の3月初旬からガザへの物資搬入は極端に制限されており、発電機を動かすための燃料もほとんど入っていません。

パルシックはこのような状況の中で8月初旬に給水支援を実施しました。自社の海水淡水化装置を持つ地元の飲料水供給会社と連携し、ガザ地区南部のマワーシエリアで6日間にわたり、のべ約18,000人に飲料水を届けることができました。この活動は、日本の皆さまから寄せられたご寄付によって実現しました。

[1]IPC FamineReviewCommitteeReport Gaza Aug2025.pdf
[2In Gaza, water kills too (aljazeera.com)

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水汲み容器を抱えて飲料水を受け取りに来た子どもたち。スタッフは保護者に来てもらうように伝えましたが、
親はすでに戦争の犠牲となり亡くなっていたり、食料確保に追われていたりして、子どもだけで来ることも

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給水初日は、給水車から直接水を汲んでいきました

飲料水を受取った人びとの声をご紹介します。

アブドゥラさん

私は現在、20人の家族と避難生活を続けています。今日でパルシックの無料の飲料水を汲みに来るのは3日目で、毎日40リットルを受取っています。避難先から近い場所で水を提供してくれて、とても助かっています。

以前は、給水所に燃料もソーラーパネルもなく発電できず、一週間も給水できないことがありました。喉が渇いたまま眠るのは苦しかったです。今後も給水支援が続くことを願っています。

アル・バークさん

私はもともと中部地区に住んでいましたが、今は家族とともにマワーシエリアで避難生活をしています。テントの近くには給水車が週に一度しか来ず、水をめぐって人びとが争っていました。さらに、その水はあまり清潔ではなかったようで、私たちは胃腸炎にたいへん苦しめられました。家族全員が、水が原因で病気になりました。今日は無料で清潔な飲料水を受け取ることができ、本当に嬉しく思います。

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蛇口から一人ずつ順番に水を汲んでいきます

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地元の飲料水供給会社と協力し、毎日朝7時から午後3時まで給水所を解放して、
多くの人たちに水を届けることができました

このたび、皆さまからのご寄付により給水支援を行うことができました。パレスチナ事務所一同、心より感謝申し上げます。

また、61日から831日まで実施した「パレスチナ・ガザ緊急支援サポーター200名募集キャンペーン」では、おかげさまで目標を上回る262名の方にご参加いただき、無事達成することができました。ご協力くださった皆さまに、重ねてお礼申し上げます。

今後も皆さまのお力とともに緊急支援を続け、ガザの人びとの命を守るため、できる限りの活動を行ってまいります。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

 (パレスチナ事務所)

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