特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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スリランカ美味しい紅茶の故郷を訪ねる旅:ツアー報告

  • コラム

パルシックは2026年1月31日~2月8日にかけて、「スリランカ 美味しい紅茶を訪ねる旅 2025」を開催しました。
ツアーでは、有機アールグレイ紅茶・有機ルフナ紅茶をつくる人たちに出会い交流し、美味しい紅茶ができるまでをたっぷりと学び、体験しました。参加者の皆さんの感想文から、旅の様子をお伝えします。

訪問地

スリランカ南部マータラ県デニヤヤ

旅の行程

日付(曜日)
時間 プログラム 宿泊地
1月31日(土) 11:20 成田空港発(スリランカ航空) コロンボ(ホテル)
17:30 コロンボ着
2月1日(日) 午前 デニヤヤへ移動、農家と交流 デニヤヤ(ホームステイ)
午後 料理教室、満月の仏教の礼拝
2月2日(月) 午前 茶摘み体験、コンポストセンター見学など デニヤヤ(ホームステイ)
午後 アーユルヴェーダ見学、座談会
2月3日(火) 午前・午後 伝統のキトゥル椰子蜜づくり モロワカ(バンガロー)
夕方 モロワカへ移動
2月4日(水) 午前 茶園見学、自然散策 モロワカ(バンガロー)
午後 有機紅茶の加工場見学
2月5日(木) 午前 紅茶のパッキング工場見学 コロンボ(ホテル)
午後 観光、ショッピングなど
2月6日(金) 午前・午後 コロンボでの自由行動、ハイティーなど 機内泊
夕方 コロンボ空港へ ⇒ コロンボ発
2月7日(土) 8:10 成田空港着

旅の感想文

後藤ゆりさん

スリランカから帰ってきて、毎日一日一日と過ぎていくことがとても寂しいと感じる。これまで行った海外の中で、今回のスリランカが最高の国だったと断言できるくらい、私の人生の中の忘れられない思い出の一つになるだろう。
このスタディーツアーは、何気なく見ていた各種イベントを掲載しているサイトで偶然見つけたものだった。これまで個人的に行った海外旅行では、どうしても観光地巡りに留まり、なんとなく物足りなさを感じていた。そんな矢先、民泊や茶摘み体験などができるこのツアーを見つけ、迷いなく申し込んだ。あのときの自分の勢いに、今はとても感謝している。
このツアーの前後で感じる大きな変化は、「今」に集中できるようになったことだ。どの家も窓がない造りであることが多く、常に鳥のさえずり、蛙の合唱、虫の音、クジャクの鳴き声が聞こえ、自然がすぐそばにあった。民泊先では、ホストファミリーが「あなたたちがハッピーで、私もハッピー」と満面の笑みで言ってくれたり、勤務時間がとっくに過ぎているにもかかわらず、快く加工工場見学に応じてくれたりした。また、「未来のことは考えない」と言い、今やりたいことに常に向き合い続けたいと考えている人にたくさん出会った。
高速道路のサービスエリアでは、たったジュース一杯なのに会計に5分ほどかかり、提供までに10分以上かかったこともあった(笑)。そのようなゆったりとした時間の流れのなかで生活を続けているうちに、東京の喧噪の中で、未来への不安やSNSからの膨大な情報量、いくらあっても足りない時間に追われて疲弊していた心が、みるみるうちに豊かに潤っていくのを感じた。帰国後、母から「話すスピードがゆっくりになった」と言われたときは、良い意味で驚いた。将来のことはなるようになる、そんな心の余裕が、温かい現地の人々と交流する中で自然と生まれたのだと思う。
私は現在、大学2年生を終えたところで、これから就職活動を迎える段階だ。SNSには、高年収の企業や安定している企業をランキング化した情報が無数にあふれている。私は幼い頃から国際協力に漠然と関心を持っていた。しかし、このような社会の中で、だんだんと本当にやりたいことが分からなくなり、ずっと葛藤していた。大企業に勤めること=幸せという概念が日本では浸透している中、このスタディーツアーは、幸せとは何かを改めて考えさせてくれるものだった。
有機農業を軸に、それに関わるすべての人たちはバイタリティにあふれていた。全員が課題に真正面から向き合い、互いに助け合い、人生をかけて取り組む姿が、私にはまぶしいほど生き生きと輝いて見えた。私はそのような人たちと働きたいと、改めて強く感じた。これからは、自分のやりたいと思う心に耳を傾け、自分に正直に生きていこうと思う。
生産地から加工場、パッキング・輸出会社まで、普段は考えもしなかったサプライチェーンの上流を見ることができたのは、本当に貴重な体験だった。帰国後、毎日紅茶を飲んでいると、出会った人々の顔が思い浮かんでくる。一杯の紅茶がこれほど奥深いものだとは、このツアーがなければ絶対に分からなかっただろう。

パルシックのロバーツさん、玄さん、望美さんには、最初から最後まで常に私たちツアー参加者を支えていただき、大変お世話になりました。みなさんのおかげでスリランカを知り、一番大好きな国になりました。本当にありがとうございました。

S.Mさん

「期待以上の1週間で、スリランカの人たちの穏やかな笑顔がすでに恋しいです。国際協力やフェアトレードについて考えが深まったほか、紅茶の生産過程を一から体験することができました。

【参加した理由】
私が最も惹かれたのは、地元の紅茶農家の皆さんと交流できることでした。これまで海外旅行をするときは1人か少人数のことが多く、交通の不便な地域や治安の不安な地域には行けずにいました。そうしたなか偶然このツアーを見つけ、ただの観光にはならない、学びの多そうな内容だったため参加しました。

【国際協力について】
以前から漠然と国際協力には関心があり、自分に何ができるのだろうかと考えてきました。今回のツアーでは、パルシックの谷川さんがコロンボからも離れたデニヤヤで1人、農家や加工場の皆さんとともに紅茶生産に取り組む姿を見て、これが国際協力の現場なんだと実感じました。また、スリランカで長年NGOなどで活動してきた石川さんの話も刺激的でした。これからも自分にできる国際協力のあり方を考えていきたいです。

【紅茶の生産について】
ツアーでは、紅茶の摘み取りを体験できたほか、南部モロワカ周辺の3つの加工場と、コロンボで競りや包装をする工場に見学に行くことができ、生産過程を体系的に学びました。紅茶は種から育てたほうが長く保つことや、日陰もある程度必要なことなど、栽培に関する知識のほか、主な輸出先や近年の紅茶のトレンドなど、初めて知ることばかりでした。
一方で、加工場の従業員の労働環境についても考えさせられました。茶葉を摘み取ったら鮮度が落ちる前にすぐ加工場に運ぶため、加工場の多くは一晩中稼働すること。住み込みで働く従業員家族の長屋があること。かつてはその子どもは十分な教育を受けられなかったこと。日ごろ飲む紅茶を裏側には、彼らのそうした生活があったと知りました。

【スリランカの人との交流】
ツアーに同伴してくれたアジットさんから多くのことを教えてもらいました。スリランカの宗教や紅茶の歴史などのほか、デニヤヤなど地方から若者が流出してコロンボに人口が集中していると聞いて、どこの国も似た問題を抱えているなと思いました。
家庭料理を作る体験ができたのもいい思い出です。豊富なスパイスの種類も知ることができましたし、ココナッツの中身を削るなど日本ではできない体験もできました。
民泊先のチンタカさんご家族にも温かくおもてなししてもらえて貴重な機会でした。
このほか、ランジャンさんやウデナさんからも紅茶栽培について詳しく学ぶことができました。皆さんの笑顔が今でもすぐ思い出されます。

【有機農業について】
私はオーガニックへのこだわりはあまり強くありませんが、有機農業に取り組む農家の話を聞いて、理想と現実の両面を見ることができました。紅茶の価格を高く設定できたり、その土地で育てた他の野菜や果物も有機として販売できるなどメリットがある。その一方で、草取りの手間がかかって収量も減るし、非有機の紅茶が少しでも混ざると加工場への出荷が止められるリスクもある。
デニヤヤの小規模農家組合に所属する農家の方が「自分たちで加工場を持ちたい亅と夢を持ちつつ、「自分の子どもには良い教育を受けさせて、農家は継がせたくない」と話していたのが印象的でした。他の農家の方々も、有機農業は趣味だったり、本業は別にあったりと、有機農業の収入だけで家計を支える難しさを感じました。 今回の滞在では食あたりもなく、車酔いもせず、盗難に遭うこともなく、スリランカの皆さんやパルシックの皆さん、そして参加者同士でも深く交流できました。学びの多い、かけがえのない1週間をありがとうございました。

N.Yさん

ホームステイ
チンタカさんのお宅にホームステイをしました。お部屋は清潔で、シャワー、トイレ付きの個室でした。シャワーは水だけでしたが、たらいにお湯を用意してくださり、不自由はありませんでした。
私の部屋からはシンハラージャが一望でき、朝は鳥や鶏、犬の声で目覚めました。虫はほとんどいませんでした。
夜は気温が下がり寒かったので、ダウンジャケットを着ながら日本から持ってきたショールを掛けて寝ました。チンタカさんの奥様は英語が話せるので、コミュニケーションできました。

沼田千鶴さん

気になる!という方の参考になれば幸いです。

スリランカから日本に帰った後、よく思い出すのは本ツアーでの「生きた体験」でした。スリランカに関する知識は、現地に行かなくても簡単に蓄えることができます。ネットで「スリランカ」と検索すればスリランカに関する記事や動画、写真がたくさん出てきます。本を読んだり映画を見たりすれば、現地に行った気分をより味わうことができるでしょう。…でも、飛行機から降りた直後に驚くほど湿度の高い空気とか、バルコニーから望むシンハラージャの森の朝靄とか、ライスとダルカレーを手で混ぜて食べるときの感触とか、茶をはじめ様々なオーガニック作物を育てる方々の言葉や表情とか、パルシックの皆様が語るこぼれ話や農家さんとのやりとりとか、ツアー参加者の皆様の旅の話やご自身なりにツアーを楽しむ姿勢とか、ふいに思い出す鮮やかな記憶は、実際に行かないと得られないものでした。

本ツアーがパルシックさんの支援活動の内容を深掘りするものであったからこそ、単なる個人での旅行と異なる、特別な体験ができたと確信しています。現地の人の話を聞いた上で、自分は今後どのように生活し、どんな仕事をしたいかを具体的に思い描きながらの旅行。本ツアーは、気楽な観光ではなく、少しでも現地の人に寄り添った旅がしたいという私の希望と合致するものでした。日本に帰ってからも忘れられない言葉や風景がたくさんあり、深い「学び」のあるツアーだったと感じています。

楽しいばかりの旅行ではなく、スリランカを複数の視点から見つめ自分なりに考える旅がしたいという方に、強くおすすめできるツアーでした。パルシックの皆様、そして本ツアーに関わる全ての方々に改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

上村あかりさん

もともと旅行先として魅力を感じていた「スリランカ」に、自分が現在日本で従事している「有機農業」を学びに行ける、という2つのキーワードに惹かれて、今回のスタディツアーに参加しました。

ツアー中には、茶葉の農場から紅茶に加工する工場、ブローカーから仕入れて販売する輸出会社まで、紅茶に関わる一通りを見に行かせていただきました。紅茶が消費者に届くまでに多くの工程を経ることがわかり、農家の収入を上げることが一筋縄ではいかない背景が理解できました。高価な有機紅茶はスリランカ国内では市場が小さいと聞き、現状、生産者さんを支えるのは日本のような輸出先の市場なのだと実感しました。何にお金を使うのかということを今まで以上に意識し、今買っているものをオーガニックやフェアトレードの商品に代替できるよう探していこうと思います。

生産者さんとお話しした際には、環境にも人にも良いから有機栽培を続けているけれど、自分の子どもにはやらせたいと思わないと仰っていました。負担は大きいが利益は小さいという有機農業の状況は、日本もあまり変わりません。ただ、生産者さん同士で、「茶葉が加工される工程も見たい」「堆肥づくりをもっと学びたい」など話が盛り上がる場面があり、有機農業について楽観的ではないけれど前向きに取り組んでいらっしゃることが伝わりました。私も有機農業は楽しいと思っているので、活発に議論されている様子を見て嬉しかったです。

また、モロワカのランジャンさんやKaley Teaのウデナさんの、大地再生に向けた試行錯誤のお話も、共感や学びが多かったです。おふたりが20年以上かけてもまだ土壌は回復の途中だと仰っていたように、一度失ったものを取り戻すにはとてつもなく時間がかかります。それでもオーガニックに取り組んでいる人が世界各地にいると実感できたことは、私にとって大きな励みになり、自分も進み続けようと改めて思うことができました。

有機農業だけでなく、スリランカの人のあたたかさにも触れた日々でした。ホームステイ先では、自分の家だと思ってねと家族のように受け入れてくれ、私の節分の茶番にも笑って付き合ってくれました。日本人はless spicyだよねと辛さを調整して作ってくれたごはんは健康的でおいしくて、毎食とても楽しみでした。手で食べるのが少し上達した頃に日本に帰ってきたのが残念ですし、帰国してからスリランカの食事が恋しいです。他にも、終業後にもかかわらず残って私たちの見学を待っていてくださった加工工場の方々や、ふらっと訪れた私たちに丁寧に寺院の説明をしてくださった僧侶さま、写真撮影に快く応じてくださったトゥクトゥクの運転手さんなど、思い出すと心があたたかくなる記憶ばかりです。

また、現地でソーシャルビジネスをされている方ともお会いし、内戦や津波、経済破綻や政治事情など、旅行者ではなく在住者の目線でのスリランカについてもお話を聞くことができました。今回のツアーでスリランカが好きになったのはもちろん、もっと深く知りたいという気持ちが強くあるので、北部など他の地域も含めてスリランカにまた行きたいと思っています。

パルシックスタッフの皆さまには、私たちが不便なく過ごせるよう環境を整えていただき、心配や不安を感じることなく目の前の経験に集中できました。一方で、ガイドと参加者という明確に分かれた関係性ではなく、やりたいことを適宜聞いていただき、一緒にツアーをつくらせてもらったと感じています。おかげで、濃厚で充実した1週間となり大満足でした。ツアーに参加することができて、本当によかったです。ありがとうございました!

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