特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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ガザスタッフからの声(11/25-11/27)

  • コラム

11月25日

マフムードから

今日はサハルと一緒にアルカララ村の羊農家20世帯を1軒1軒訪問し、皆さんの状況の聞き取りや羊の状態を確認していました。約50日ぶりに皆さんの顔を見れて少し安堵しました。アルカララ村は被害規模が大きく、羊小屋3基は完全に破壊され、十分に飼料を食べることができずに羊が死んでいたケースもありました。アルカララ村の大半の羊農家は避難していましたが、ようやく帰宅できたようです。しかし瓦礫になってしまった家もあり、状況は深刻です。

11月26日

タグリードから
  • 私は戦争が始まってから、2度外に出た以外はずっと家の中で耐えていました。今日ようやく外を歩きましたが、あまりに変わり果てた町に絶望しました。道路は想像を絶するほど破壊され、腐ったまま放置されている死体の臭いがとてもきついです。深い悲しみ、絶望、怒り、極度の不安、、この行き場のない感情はどうしたらいいのでしょうか。まさに地獄の世界です。あまりに変わり果てた景色に、私も子どもたちもトラウマとなりました。外はもう一人で歩きたくないです。
  • 今日はいつも以上に寝れません。昼間見た地獄の景色が脳裏に焼き付いています。中学生の息子も寝ながら悪夢を見ているようです。うなされています。19歳の次女は私の左側で寝ていますが、寝ながら私の背中をずっと無意識で触ってきます。私が隣で寝ているかを確認しているようです。
  • 私が住むヌセイラットエリアは空爆が非常に激しく、自宅から25mの場所が狙われたこともあります。家も空爆の被害をたくさん受けてきましたがその都度可能な限り修理をしてきました。また完全に窓を閉めると爆風で窓ガラスが割れて被害が大きくなるため、窓を常に2-3センチほど開けて、少しでも被害を抑えることができるよう工夫もしていました。
  • 商店は人でごった返していました。品物はほぼなくなっているのですが、それでも人で溢れています。今、疥癬が流行っているので人混みに行くことは怖くてお店に入るのをやめました。
  • 私たちは普通の食べ物が食べたいです。調理をせずにサラダを食べることもありますが、油できちんと調理した料理でないと精神的にも満たされません。限られた小麦粉でパンを焼いたり、可能な限り調理して子どもたちが少しでも食べるれるように工夫しています。でも私は食べないこともあります。ラマダン期間に十分にファースティング(断食)できなかったので、今その日数分を代わりにファースティング(断食)していると思うようにしています
  • 国連機関が全住民に配付予定であった小麦粉は、世帯の人数が多い人たちを優先しているようで、私たち5人家族はもらえていません。国連機関施設への配給だけでなく、私たちにもきちんと届けてほしいです。


11月27日

タグリードより
  • 今日は朝から限られた水で洗濯を手洗いでし、パンを焼き、大忙しでした。外は出歩いていません。雨も降っていてとても寒いです。店頭にはツナ缶や豆缶は残ってるようです。先日、缶詰を食べたら胃が激痛で、まるで出産の時のような思いをしました。息ができず全身の発汗が止まらず、夜通し死ぬ思いでした。本当にお産のような痛みで歩けず、地獄でした。私の体には缶詰はあわなかったようです。
  • 一歩ずつ歩き続けるたびに何かに遭遇します。腐った死体、瓦礫、ゴミ、、行政は燃料がなくて遺体や瓦礫を回収するためのトラックを走らせることもできません。とにかく腐った遺体の臭いが充満しています。どうか停戦が継続されることを願ってやみません。

サハルより
  • 私たちが支援してきたラファ県のチーズ工場では、バッテリーやソーラーパネルなどが盗まれていました。これ以上被害を防ぐためにも、女性組合のメンバーを中心に機械類を移動させようと準備を進めています。工場だけでなく、アルカララ村の羊農家のなかにも、避難中に自宅に誰かが入ったようで、食料やキッチン用具、私たちが配付した羊の飼料などが盗まれていたケースの報告を受けています。人びとは自分が生き延びることで精いっぱいなのです。
  • どうか停戦が継続することを心から願っています。再度、戦闘が再開したら、私たちガザ市民はもう生きていけません。

ガザの人たちは今も被災した市民同士で協力しながら、この瞬間を生き延びようとしています。どうかガザの一般市民がおかれている極限状態を超えた現状を一人でも多くの日本の皆さんに知っていただき、即時停戦に向けて連帯の輪を広げていただけますと幸いです。引き続きお力添えのほど、よろしくお願いいたします。

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関連事業

ガザ地区における羊の畜産支援
ガザ地区女性世帯への生計支援(2018~2022年) 

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