春のアーモンドと、終わらない避難生活
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4月16日からレバノンとイスラエルの停戦が発効したものの、レバノン南部やベイルート南部郊外では、その後も断続的にイスラエル軍による攻撃が続いています。5月6日時点で、100万人以上の人びとが622の公式避難所や親類宅、友人宅に身を寄せています。しかし、避難先が見つからず、道路の脇や広場に簡易テントを建てて、避難生活を送る方もいます。

広場にテントを立てて避難生活を送る人びと
今回は、4月初旬に皆さまからのご寄付でシャワールームを設置した、南部サイダ市の避難所になっている公立学校で暮らす人びとのお話をご紹介します。(活動レポートはこちら)
お話を伺ったのは、イスラエルとの10日間の停戦が開始してすぐでした(4月中旬)。多くの方が、その間に一時的に南部の自宅や村へ戻り、家の様子を確認した後、再び避難所へ戻ってきていました。
ティール市(レバノン南部の地中海に面する町)の公立学校で校長を務める女性のお話
女性は避難当日の様子をこう振り返りました。
普通なら30〜40分の道が、17時間かかりました。深夜にイスラエル軍による避難警告が出され、寝たきりの義母を病院へ搬送した後(*ジュネーブ条約で、戦時中も病院は保護されるべき対象とされています)、家族で北へ向かいました。
渋滞の車列の中では、家から持ってきたクロワッサンを渋滞中の周りの車の人たちと分け合い、道沿いの民家やレストランも次々とトイレを開放してくれました。こういう時、レバノン人は助け合います。水や食べ物もみんなで分け合いながら移動しました。
ホテルにも避難しましたが、孤独でした。もちろん設備の面では劣りますが、みんなが一緒に避難していて助け合うことができ、精神的には避難所の方がずっと落ち着きます

廊下をカーテンで仕切って部屋に
ナバティーエ市から避難してきた70代女性のお話
停戦期間中に一時帰宅した70代の女性は、自宅周辺の様子についてこう話してくれました。
街はゴーストタウンのようでした。電気と水はまだ使えたものの、店はどこも閉まり、食料を買うこともできませんでした。持参した缶詰を食べて一晩過ごした後、これ以上いるのは危険だと判断し、家族で再び避難所へ戻ってきました
水たばこを吸って集まっていたグループの60代男性のお話
避難所の一角では、水たばこを囲む男性たちの姿もありました。
ここでは毎日、トランプをしたり散歩したりするだけです。仕事もありません。先の見えない避難生活の中で、特に困っているのは家賃です。避難している間も、もともと住んでいた町の大家さんから家賃を払うように言われています。状況が落ち着いたら帰るつもりなので部屋は引き払えませんが、ここでは仕事がなく、支払いができません
避難所になっている学校の校長先生のお話
校長先生は、サイダ市近くの安全な(避難警告が出ていない)地域にある自宅を避難してきた人たちに提供して、自身は夫と一緒に学校の一室に住み込んでいます。
ここで一緒に生活しないと、避難している人たちが何に困っているのか本当にはわかりません。24時間体制で指示が必要な時もあるので、私はここにいた方がいいのです。
現在、この学校では600人以上が避難生活を送っています。学校が避難所となったため、本来この学校に通っていた子どもたちの授業は、戦争が再勃発してからすべてオンラインになりました。しかし、オンライン授業をすべての子どもたちに受けさせるのは簡単ではありません。
パソコンを持っていない家庭もありますし、兄弟が多くても親の携帯1台で授業に参加するしかない家庭もあります。避難所となっている学校には、避難している人たちが自由に使えるWi-Fiもありません。親たちはそれぞれ携帯の4G通信を使って授業に参加させていますが、通信費の負担も大きく、多くの子どもたちは授業どころではない状況です。
さらに、これから夏を迎えるレバノンでは、水不足や電力不足も心配です。今はまだ大丈夫ですが、夏に向けて水不足が深刻になります。電気も時々しか来ないので、エアコンはもちろん、扇風機もみんなが使えるだけの電力はないと思います

停戦期間中に一時帰宅していた女性が、避難所へ戻る際に自宅の庭から摘んできた花と“グリーン・アーモンド”を見せてくれました。青いアーモンドの実に塩をつけて食べるのは、レバノンの春の風物詩
パルシックは現在、多くの避難民を受け入れている山岳レバノン県で、公式避難所などに身を寄せる4,500世帯を対象に、食料配付の緊急支援を行っています。
人びとの日常を奪う破壊が続くなか、パルシックは終わりの見えない避難生活を強いられるレバノンの人びとに寄り添い、今後も必要な支援を届けます。引き続きご支援をお願いいたします。
(レバノン事務所)
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