大学生によるフィールドワーク ―五感で受け止める能登の「現在」
- 活動レポート
- 令和6年能登半島地震 緊急支援
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- 緊急支援事業
2026年5月6日から9日まで、清泉女子大学の先生とゼミ生5人を能登事務所で受け入れ、パルシックとつながりのある様々な場所へとご案内しました。
- 能登町
・パルシックの活動拠点「なごみ」を訪問。
開店準備を手伝っていただいた後、なごみのスタッフから震災当時の炊き出しについてお話ししました。
・民宿「土とDISCO」を訪問
地震で剥がれ落ちた蔵の土壁からインスピレーションを受け、クラブスペースへと創造的に再生された民宿「土とDISCO」。自然の地形を生かした遊具や、解体家屋から取り出して作られた家具や建具を見せていただきました。
・萬年寺を訪問
ボランティア活動がご縁でつながった萬年寺には、能登キリシマツツジが咲くお庭と穏やかな入り江が見渡せる美しい景色が広がります。

能登キリシマツツジ
・小木港エリアを訪問
ノスタルジックな雰囲気のある小木港エリアでは、三重県の支援団体「楽笑」により運営されている活動を訪問し、学生たちは子どもたちと遊びました。夕方には中型イカ釣り漁船の出航に偶然遭遇しました。

小木で子どもたちと遊ぶ学生たち
・谷屋地区を訪問
なごみのスタッフ宅で、400年以上続く「いどり祭り」が震災以後はできていないことや、近くの神社の社も地震で損壊し神様のお引っ越しをする話を伺い、地震が地域の文化に与えた影響の深刻さを知りました。
・ケロンの小さな村
上乗さんご夫妻が耕作放棄地を自ら切り拓かれた小さな村では、池や田んぼからカエルの鳴き声が聞こえ、子どもたちが自然の中で遊び、学ぶことができる遊具やツリーハウスを見学しました。
- 珠洲市
・すず塩田村を訪問
伝統の「揚げ浜式塩田製法」を詳しく案内いただき、実際に海水をまく体験をしました。「震災後、手伝ってくれた多くの人びとに恩を返したい、伝統を守るのが使命」と前を向く達の言葉が心に刻まれました。

伝統的な揚げ浜式塩田製法の海水まきを体験
・塩田村までの道のり
外浦の海岸線が最大高さ4メートル長さ100キロに渡り隆起したため、塩田村までの道のりでは、元の道路が崩れてしまい通行できなくなっており、隆起した海岸に作られた道を通って行きました。
・スズレコードセンター、見附島を見学
震災の記録をアートで残す「スズレコードセンター」や地震で崩れてしまった見附島を訪れ、変わりゆく地域の姿を見つめました。

地震によって一部が崩落した見附島
- 輪島市
・朝市通りを訪問
震災当時、大規模な火事が発生した朝市通りでは、更地が一面に広がる光景を目の当たりにしました。朝市通り近くの酒造店では、風向きが変わって火災を免れた話を聞き、スーパー内で行われている出張輪島朝市を訪問しました。
・白米千枚田を訪問
丁寧に一つ一つが手入れされた棚田の壮観な景色を見渡しました。
・町野地区を訪問
震災後、住民によって立ち上げられた「まちのラジオ」を見学し、立ち上げ当時の話を伺いました。一帯が豪雨による土砂に流されながらも、「まちのテラス」は仮店舗で営業を再開。地域の逞しさを感じました。
・輪島塗箸職人の仮工房を訪問
震災当時からパルシックと交流のある輪島塗箸職人の小山さんの仮工房で、箸作りを体験しました。手の力が弱くなっても使えるデザインの開発や一人一人の手にあわせた箸作りの思いを伺い、伝統を繋ぎ続ける職人精神に触れることができました。

輪島塗を乾かすための回転風呂の説明をきく学生
3泊4日と限られた時間のなかで、盛りだくさんの内容となりました。
参加した学生からは、今後の学びや活動につながる感想が聞かれました。
・能登の風景、人との出会い、大切にしている伝統技術、美味しい食べ物に心が奪われる日々でした。能登に来て良かったと心から思います。このフィールドワークをきっかけに、能登とつながりを持つことができたので、大学のプロジェクトや今後の人生につなげたいと思います。
・能登町での生活の様子や災害時のお話などを色々なところで聞くことができたことは、貴重な体験でした。この体験を忘れず、これからのプロジェクトや人生に活かしていきたいです。
今回のフィールドワークでは、参加した学生は「被災地を訪問する」という枠を超えて、能登の現在を五感で受け止められたのではないでしょうか。「自然の美しさと脅威」「人と自然との共生」「過酷な環境とそれを生き抜く営み」「受け継がれてきた伝統文化、技術」「温かく逞しく生きる人びと」、学生たちの心に多くのキーワードや問いが投げかけられたはずです。これからの人生や社会に対する視座に大きな影響を与える、実りあるフィールドワークとなったことを願っています。
(能登事務所 新宅聡子)
