家庭菜園が育む小さな希望
- 活動レポート
- 国内避難民への物資配付および教育支援
- ミャンマー
- 緊急支援事業
ミャンマーのクーデターが2021年2月1日に発生してから、5年が経ちました。ミャンマー国内では、国軍による戦闘や空爆が続き、軍事力強化のため強制的な徴兵も行われています。パルシックが事業を実施している地域も同様です。人びとは住む場所を追われ、隣国や国内でもより安全と考えられる場所への避難を余儀なくされています。そして避難先から戻ることができず、長期間にわたり避難先で仮住まいを続ける国内避難民の方も増加しています。そこでは食料をはじめとする生きていくために必要な物資や医療などのサービスへのアクセスが限られており、支援も限られる中、人びとは毎日をどう生き延びていくのか苦心しています。このような厳しい状況にある人たちに家庭菜園の研修と資材を提供して、自分たちの手で食料を生産できるようになることで、食料事情を改善しようという活動をパルシックは開始しました。
2025年夏に各村で提携団体スタッフが講師となり、家庭菜園の研修を行いました。参加した方々が自分たちの手で継続的に家庭菜園活動ができることが大事なため、村でも簡単に手に入れられる資材を使った有機肥料や、有機防虫剤の作り方や使い方を実践を通して伝えました。

研修の様子。骨や卵の殻を使った葉に散布するタイプの肥料の作り方を実演。

研修後、すぐに家庭菜園を始められるよう野菜の種やスコップなど道具をお渡ししました。
参加した方々はその後、家の周りやキャンプ内の空き地等を使い家庭菜園を始めました。
そして、2025年秋~冬にかけて家庭菜園で無事収穫ができたという嬉しい報告が届くようになりました。国内避難民キャンプに住むMさんはこう話します。
「食べるものがなく、毎日何を料理すればいいのか途方に暮れていた時に家庭菜園研修の機会をもらいました。そこで習ったことはすべてが新鮮でした。身近なもので作る堆肥や害虫駆除剤の作り方、これらの技術や知識は自分だけでなく村のみんなとも共有できます。研修を終えてキャンプ内の空き地で菜園を始めました。化学肥料を買わなくても強く丈夫な作物が育ちました。菜園でとれた野菜は大きな変化をもたらしました。家族で食べるものが確保できただけでなく、食べきれないものは周りの家族へ分け合うことができました。そして市場で少し売ることができて収入を得ることもできました。自分の手で家族の食料を作り、周りの人を助けられたことは自分にとって大きな一歩でした。菜園の一株一株が私たちにとって希望です。」
家庭菜園が食料の不安を和らげるだけでなく、避難生活の中で希望を育む力にもなっています。

Mさん

丁寧にお世話されているMさんの家庭菜園

たくさん収穫できたササゲ
