特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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飢餓の渦中で食料配付がもたらす明日への希望

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ガザの人道危機が始まってから2年が経過し、現地の食料危機は一層深刻さを増しています。約200万人のすべての市民が飢餓の脅威にさらされ、命の危険に直面しています。

このような状況のなか、パルシックは9月上旬、現地の支援団体(PARC)と連携して、視覚障がいのある方や腎臓病など慢性疾患を抱える方、また女性が家族を支えている世帯など、特に支援が行き届きにくく切迫した状況に置かれている1,632世帯へ食料バスケットを配付しました。

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食料バスケットには5kgの米、砂糖、食用油、トマトペースト、ツナ缶、フェタチーズ、タヒーナ(ゴマペースト)が含まれ、1世帯がおよそ10日間過ごせる内容となっています

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食料配付場所に来るのが難しい方もおり、その場合には親せきや代理の人が受け取りに来ることもありました

食料バスケットを受取ったサルワさんの声

本当に困窮しているときに食料バスケットを受取ることができました。がんを患っている夫もとても喜んでいました。入っていたお米はとても質が良く、私は夫や娘のためにマクルーベ[1]を作りました。

[1] パレスチナをはじめ中東で広く食べられる伝統的な家庭料理。素揚げした野菜や肉を鍋に重ね、その上に米を加えて炊き上げる一皿。しかし戦争の影響で肉が手に入らず、多くの人びとは今、野菜と米だけでこの料理を作らざるを得ない。

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食料バスケットの中身の選定から梱包作業まで、パルシックと現地団体(PARC)が協力して行いました

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食料を受け取りに来た人びとを、一人ひとり丁寧に受付する職員たち。ガザ北部出身のスタッフが、かつての近隣住民と感動の再会を果たす場面もありました

ガザスタッフの声

配付当日、私は偶然にも、30年前、中学生だった頃に知り合った視覚障がいのある学生や教員たちと再会することができました。彼らは私の声を聞いただけですぐに私だと認識してくれたのです。30年ぶりに再び会えたその瞬間は、本当に忘れられないほど感動的でした。視覚障がいを持つ方が、これほどの戦争下で退避を続けて生き延びてきたことを思うと、その困難さは想像を絶します。しかし、表現しがたいほどの厳しい状況下でも、彼らの温かさと強さは輝いていました。彼らは私の家族や親せきのことを気遣う言葉までかけてくれたのです。受付を担当していた私は、束の間、人と人とのつながりの力を思い出し、感極まっていました。

2年にわたる戦争のなかで、私にこのような感動を味わえる瞬間があったでしょうか。私自身、多くの日を空腹のまま過ごしてきました。11回しか食事をとれない日々が続いたこともあります。また、主食のパンを作るための小麦粉が、1週間近くまったく手に入らなかったこともありました。3人の子どもたちに十分な食事を与えることができず、貧血や栄養不足で子どもたちが倒れそうになることもありました。親としてかける言葉も見つからず、苦しい日々が続いています。“食べる”という人間の最低限の権利を私たちガザ市民は奪われ続けているのです

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受取った食料バスケットを持って、家族の元に帰る人たち

このように、深刻な食料難が続くガザで、パルシックはこれからも食料配付をはじめとする緊急支援を可能な限り続けてまいります。人びとの命と暮らしを守るために、皆さまの温かいご支援を引き続きお寄せくださいますようお願い申し上げます。

(パレスチナ事務所)

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