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インターン黒沢 東ティモール日誌Vol.11 商品生産地を訪問!~バウカウ 前編~

  • コラム

Botardi!こんにちは、インターンの黒沢舞衣です。

9月26日から10月2日に、アロマティモール商品(詳しくはvol.5へ)が生産されているバウカウの女性グループを訪ねました!バウカウは東ティモール東部の北海岸に位置する都市で、5つの生産グループがあり、それぞれ違う商品を作っています。今回は、商品の集積場所でもあるグループ、「TRM-OCA」のリーダーのナテルシアさんのお宅に泊まらせていただき、他の3つのグループも見に行きました。

バウカウはディリから東に3時間ほどの場所にあり、私は一人でバスに乗って向かいました。東ティモール第二の都市と呼ばれているだけあって栄えている範囲が広く、店や家、人の数は多かったです。ナテルシアさんの家には10人が住んでいて、私を温かく迎えて下さいました。普段は息子のアナトさんが、全生産グループの商品を集め、パルシックとのやり取りを行っているようで、早速翌日から生産現場を回らせてもらえることになりました。

「VERTUDE」は、222gのVCO(バージンココナッツオイル)を作っているグループです。メンバーは7人ですが、訪れた日は2人でした。ココナッツが市場に並ぶ木曜と日曜に50個ずつ買い、5個を使って1ボトルのVCOを作るそうです。パルシックが作った手順のポスターが貼られた作業小屋の中で実際に作る様子を見せていただき、私も体験させていただきました。まずココナッツをカタナと呼ばれる大きなナイフで大胆に切って、水の入ったバケツの中で洗います。機械を使って細かく粉砕したら、水を加えます。布を使って3回こしたものを一日置き、次の日に分離した油の部分を掬うのだそうです。

皆さんはとても手慣れていて、私に優しく教えてくださりました。たくさんお話をした中でも、2017年から2年間指導を行っていたパルシックスタッフのともみさんとのエピソードや、市場のココナッツはすぐに売れてしまうため、もっと作りたくてもなかなか作れないことが印象的でした。まだ小さな息子さんやお孫さんがたまにふらっと現れてはキラキラした目で女性たちを見ていたのが微笑ましかったです。

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布を使って絞る作業は力が要りました

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商品を手にみんなで記念写真

クリーミーピーナッツバターを作っているのは、「FIB」というグループの5人の女性たちです。商品生産は3か月に1回程度のようでお邪魔したときには作っていなかったのですが、私のためにわざわざピーナッツを少しだけ買いに行ってくださいました……!どのグループも作業用の建物はグループリーダーの方の家の隣にあって、他のメンバーはたいてい近くに住んでいます。今回はリーダーとその家族の方に、工程を一通り見せてもらいました。初めにlafatikと呼ばれるパームの葉で編んだバスケットを使って、ピーナッツを選別します。オーブンで30分加熱して、皮がするっと剝けるようになったピーナッツをまだ熱いうちに一つひとつ綺麗にしました。もう一度lafatikに入れて、焦げすぎたものや皮などを器用に取り除きます。私も試してみましたが、手首のスナップを使ってlafatikを動かすのがとても難しくて上手にできませんでした。最後に機械に入れて下に瓶をセットしたら、ピーナッツバターが出てきます!出来立ての温かいバターはまた違った美味しさがあり、とても贅沢な気持ちになりました。

このグループは他にもバジルソルトを作っていますが、これも作るのは3ヶ月に一度くらいだそうで、昔は15人いたメンバーも今は5人に減ってしまいました。ディリ事務所の在庫が少なくなって電話が来たら作るので、もっとたくさん売れるようになったらいいな…と思いました。

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皮むきを体験しました

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こちらでもピーナッツバターを手に記念撮影

私は今回初めて東ティモール人の方のお家に泊まったのですが、4人の小さな子どもたちはとても賑やかで、大人たちもおしゃべり大好きで、ずっとどこかから声が聞こえていました。滞在中、親戚の具合が悪いというので、近くにある家をよく一緒に訪ねました。ある日お墓に行くというのでついていくと、何十もの親戚の墓石一つひとつにろうそくと花びらを手向けて体調が良くなることを祈願していて、とても興味深かったです。

別の日には車で少し離れた山に向かい、占い師のような老人を訪ねました。老人は私たちが持参したひよこを生贄に一人で何か儀式をしたあと、一緒に行った家族の一人に不吉なことが続く原因について話をし、そのあとお祓いのようなものをしていました。現地の言葉、マカサエ語を話していたので詳細は理解できませんでしたが、話を聞く限り水子供養のようです。東ティモールはカトリックの国ですが、同時に彼らは土着信仰も持っていて、それが併存しているのは非常に面白く、貴重な経験をしたなと思いました。

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おじいさんと一緒に住んでいる男の子が儀式を手伝っていました

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