PARCIC

インドネシア

スラウェシ:伝統家屋の仮設住宅建設

スラウェシ島からこんにちは。

皆さんにご報告しなくてはと時折思い出しながらも、随分長い間ご無沙汰してしまいました。

パルシックが緊急支援でスラウェシ島パル市に昨年10月に現地入りしてから、早いもので半年以上が過ぎました。震災後半年以上も経つとパル市内では多くの半壊した建物は取り壊され、修復可能だった建物は何事もなかったかのようにきれいになっており、店や食堂なども普通に開いていたり、おしゃれなカフェもオープンしたりと、徐々に被災地であることを忘れつつあるように感じます。

しかしながら、避難民キャンプは今でもあり、テント生活を強いられている被災者の方々もたくさんいます。パル市内はアクセスがいいという理由から多くの支援団体から支援を受けることが出来たのですが、アクセスするのに時間を要する地域や震災や豪雨による土砂崩れでアクセスが困難な山間部などは支援が行き届いていない状況があり、パルシックはシギ県の山間部にあるクラウィ郡を選び、まずは食糧や生活用品を配布しました。その後、仮設住宅建設用の資材を配布することにしました。

パル市内からシギ県クラウィ郡の事業地まで車で2時間以上かかります。また、事業開始当初は通行規制が敷かれており、午前8時~午後12時、午後2時~午後5時まで通行止めでしたので、現地に滞在できる時間も限られていました。昨年9月末の地震をきっかけに頻繁に土砂崩れが発生するようになり、クラウィ郡に行く度に道の様子が変わっていました。

シギ県クラウィ郡へ通ずる道の様子

土壌が脆く頻繁に土砂崩れが発生します

地震災害で大打撃を受けているにもかかわらず、クラウィ郡の一部は洪水被害にも見舞われ、一時期約6週間は土砂崩れや一部の道路が崩壊しクラウィ郡へのアクセスが遮断されて、踏み入れることさえできませんでした。

洪水被害で崩壊した道路が開通している様子

洪水被害に遭った事業地に行く途中の村

私たちは仮設住宅建設用の資材配布を実施することにしたのですが、一般的な長屋タイプの仮設住宅に住む被災者からは日中熱がこもり暑くて中にいられない、天井が筒抜けでプライバシーがないなどの声を聞きました。

長屋タイプの仮設住宅

被災後テントや半壊した家屋に住んでいた被災者がやっと安心して暮らせるようになるのに、暑くて中にいられない、近隣の音が筒抜けで気を遣わなくてはならないのは不憫だと思い、より快適に暮らせる仮設住宅を提供できればと考えました。

そこで、震災時コンクリート造りより木造の家屋の方が被害が少なく、木造建築が見直されていることや、サゴ椰子の葉を屋根材にすれば日中でも熱がこもらず過ごせるようになること、世帯ごとの独立した仮設住宅を建てることにより気兼ねなく過ごせることを鑑み、伝統家屋様式の仮設住宅なら長屋タイプに住んでいた被災者の不満を解決できると確信し、建設を支援することにしました。

これらの仮設住宅に引っ越した住民からは、日中も暑くないので家の中で過ごせ、周りを気にせず家族だけで過ごせるのでとても良いとの声が届きました。また、年配の住民からは子どもの頃に住んでいた家を思い出すと懐かしむ声も聞かれました。

思い起こしてみると、現地入りした昨年の10月下旬、空港から市内へ向かう途中、掘っ立て小屋のような食堂が地震の影響を受けず営業していたのがとても印象的でした。木造の建設物こそ耐震性があるのではと思い、今回の仮設住宅につながったような気もしています。

未だに仮設住宅は不足しており、パルシックは引き続き仮設住宅建設の支援を続けていきます。

(スラウェシ事務所 飯田彰)

※この事業はジャパン・プラットフォームの助成とみなさまからのご寄付で実施しています。