PARCIC

インドネシア

ソウロウェ村でのチャイルド・フレンドリー・スペース

前々回のレポートで触れました、シギ県ソウロウェ村で提供しているチャイルド・フレンドリー・スペース(CFS:子どもにやさしい空間)の様子についてご紹介します。

パルシックは毎週月曜~金曜の午後にソウロウェ村でチャイルド・フレンドリー・スペースをひらき、活動しています。当初は、テントで活動を行う予定でしたが「テントの中は熱がこもり暑い」などの声を聞き、風通しのよい簡易建物を建設しました。建物に使用している木材などはソウロウェ村内で調達し、屋根には同じく村で調達したサゴ椰子の葉を使用しています。

チャイルド・フレンドリー・スペース外観

チャイルド・フレンドリー・スペース外観

チャイルド・フレンドリー・スペースにやってくる子どもたちの多くは3歳〜小学校低学年で、一部の保護者も一緒に参加しています。子どもたちはファシリテーターが用意したアクティビティに参加するほか、自由時間に子ども同士で、または保護者も交えながら遊んでいます。アクティビティは、身体作り、衛生指導、アート、文字や数字、お話など、曜日ごとにテーマを決めて遊びながら学べるようにしています。

活動にあたって、ユニセフ発行の「子どもにやさしい空間」ガイドブックを参考にしています。その中で以下の6つの大切なことが紹介されています。

①子どもにとって安心・安全な環境であること
②子どもを受け入れ、支える環境であること
③地域の特性や文化、体制や対応力に基づいていること
④みんなが参加し、ともにつくりあげていくこと
⑤さまざまな領域の活動や支援を提供すること
⑥誰にでも開かれていること

ファシリテーターと子どもたち

ファシリテーターと子どもたち

パルシックのチャイルド・フレンドリー・スペースには2人の障がいを持った子どもも参加しています。今回は彼らを紹介します。

まず1人目はアディッド。彼は知的障がいを持っていて、ほかの同じくらいの年齢の子どもに比べて、言葉の発達などに遅れがあります。チャイルド・フレンドリー・スペースには基本的に自分で来るかファシリテーターが呼びに行くと一緒にやってきます。始めのころはアクティビティの輪に入るものの、あまり言葉を発しませんでしたが、回を重ねるごとに、どんどん言葉を発するようになってきました。また、単に言葉を発するだけでなく「アディッド、食べたあとのゴミはあそこに捨てて来てね」などと、軽食後にゴミ箱の位置を示しながら頼むと、きちんとゴミ箱に捨てに行ってくれます。

先日はアディッドの家に招かれ、食事をいただきました。家でのアディッドはおしゃべりで、おばあさんと特によく話していました。

チャイルド・フレンドリー・スペースでの言葉数が増えていることは、アディッドにとって家のように安心できる場所になりつつあるからではないかと思います。

カメラを向けたら笑顔をみせてくれたアディッド

カメラを向けたら笑顔をみせてくれたアディッド

2人目はサフィラ。彼女はダウン症です。サフィラは大体は近所の保護者に連れられてやってきます。ほとんどアクティビティに入ることはなく、輪に入るよう促しても、今のところ端から見ていることが多いです。なかなか笑顔を見られない日が続いていますが、それでもほとんど毎日やってきます。

ある時、サフィラはアクティビティに入らないものの、後ろで小さな子どもたちと遊んでいて、イスで繋げたトンネルを作り、中をくぐるように小さな子に促して遊び笑いあっていました。このトンネル遊びは数日前にファシリテーターが行ったアクティビティです。私もまざって遊んだあとにカメラを向けると、初めて笑顔をくれました。

先日はサフィラの母親もチャイルド・フレンドリー・スペースにやってきてくれました。

トンネル遊びをした後のサフィラ(左)とワンダ

トンネル遊びをした後のサフィラ(左)とワンダ

また、小学生の子どもたちを中心に、アクティビティ開始前・開始後の掃除や片付けを手伝ってくれるようになりつつあります。チャイルド・フレンドリー・スペースを自分たちの場所と思いはじめてくれているのではないかと思います。

パルシックのチャイルド・フレンドリー・スペースが子ども、保護者、コミュニティに受け入れられ、共に場所作りをし、震災後のストレスやトラウマの緩和に役立てるよう努めていきます。

(スラウェシ事務所 松村 多悠子)

※この事業はジャパン・プラットフォームの助成で実施しています。