特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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スリランカ美味しい紅茶の故郷を訪ねる旅:ツアー報告

  • 活動レポート

パルシックでは、2009年12月19日から26日の8日間、スリランカ紅茶園を訪ねるツアーを開催しました。理事であり、スリランカ社会を長く研究している中村尚司を案内役に迎え、スリランカ紅茶を巡る各地を訪ねた旅の報告です。

1日目にバスでニゴンボから美しい湖の町クルネガラ、キャンディとまわり、スリランカの景色と道の様子を楽しんだ後の旅の2日目、訪れたキャンディの茶業試験場では、研究所の内部や、茶の苗床などを、見せてもらいました。スリランカと日本の土壌の違いから来る茶の味の違いに納得したり、別の植物を使っての土づくりのプロセスに聞き入ったり、スリランカ各地の気候に合わせて作っているという数種の茶の苗床を見て感心したり、と、たくさんの新しい情報に、皆さんの目が輝きました。

予定外の訪問ながら、優しく対応してくださった研究員の方々に感謝をしつつ、茶業試験場で予備知識を身に付けた後は、スリランカ南部の2つの茶園へ。ひとつは紅茶の名所ヌワラエリヤから車で1時間半ほどのウダプッセラワという地域にある茶園。スタッフのみなさんのお話を聞きながら、紅茶オークションの資料を見せていただいたり、工場の内部を見学させていただいたり、マネジャーの住む1世紀以上前に建てられたというバンガローでお茶とお菓子をいただいたり、と、楽しい時間に夕方暗くなるまで長居をしてしまいました。

もうひとつは、パルシックが販売している「ウバ紅茶」を生産するグリーンフィールド農園です。ウバ州内、ハプタレーという地区にあるグリーンフィールド農園には、計3日間訪問しました。1日目は、茶園マネジャーにフェアトレードや有機栽培、植林活動などの取り組みについてお話を伺いました。2日目は、午前に植林体験、茶畑・茶摘み見学、そしてティスティング、午後にフェアトレードプロジェクトに関する報告、工場見学、茶園内の住居訪問と、びっしりのスケジュール。現在は雨季にあたるスリランカ、残念ながらの雨天でしたが、皆足元をびしょぬれにしながら、茶畑、茶の苗床、日陰樹の苗床、と、茶園内を歩き回りました。2日目には行われていなかった茶葉の「揉捻」や「発酵」工程を見せてもらうため、続けて3日目の朝も工場へ。工場の外までもが、爽やかな紅茶の香りに包まれる中、紅茶の製造工程をたっぷりと見学させてもらうことができました。

グリーンフィールド農園では、水質や土壌の保護、生物多様性の維持を目的として行われているという植林活動も、印象的でした。現地に自生する木だけを30種類以上近隣から集め、行っているそうです。茶園内に住む人々との交流では、ご家族のお話を伺ったり、茶園での暮らしについて質問したり、最初は1、2軒の予定が、5軒のお宅でお話を伺うことになりました。

その他、ヌワラエリヤの茶園のレストランでの昼食、道の途中のゲストハウスでの紅茶休憩、リプトン紅茶の名で知られるトーマス・リプトン卿がそこに座って景観を楽しんだというハプタレーの「リプトン・シート」訪問(広大な茶畑の真ん中、小高い丘の上にあり、吹く風がとても爽快でした)など、スリランカ紅茶に随所で触れました。また、キャンディ・ペラデニア植物園散策やコロンボ市内の寺院巡り、キャンディアンダンス鑑賞と、紅茶以外のスリランカ文化にも触れ、親切なスリランカの人々との出会いとともに、スリランカ紅茶と同じぐらい、深く味わいのある旅となりました。


紅茶工場内。摘み取った茶葉の水分量を減らす「萎凋」という行程が行われているところです。

雨の日も、茶摘みが行われていました。

茶摘み体験

植林体験

茶園内に住んでいる人々のお宅をご訪問

リプトンシート付近。霧が晴れることは、珍しいそうです。

道の途中、紅茶休憩中に記念撮影
   
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