スリランカで発生したサイクロン「ディトワ」による影響について
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11月27日から29日にかけて、スリランカではサイクロン「ディトワ(Ditwah)」が発生し、全国で洪水、家屋倒壊、停電、土砂崩れなどの被害が広がっています。特に東部、北中部、北西部、中央州で深刻な状況が続いています。
スリランカ災害管理局(DMC)の12月3日午前10時時点の発表では、
- 死者:479人
- 行方不明者:350人
- 家屋被害:約4万5,000戸
が報告されています。
スリランカの最大都市コロンボでは現在、サイクロンの影響は徐々に収まりつつありますが、ほかの一部地域では家屋の全壊により住民が避難を余儀なくされています。

コロンボ近郊に住むスタッフの自宅(11月28日の朝)
交通網については、バンダラナイケ国際空港は通常通り運航していますが、各地で鉄道の運休や道路の寸断が発生しています。スリランカ観光局は、豪雨を受けてビザ延長やフライト変更手数料の免除などの措置を発表しています。
パルシックの活動地であるマータラ県デニヤヤでも強風と大雨がありましたが、被害は軽度で、1〜2日の停電後は復旧し、現地事務所は通常通り稼働しています。

12月2日のデニヤヤの様子。快晴で店も営業している
サリーリサイクルバッグを生産している女性たちが暮らすジャフナ県でも一部被害が出ており、家屋が浸水した人たちは、学校などの避難所に避難しています。ムライティブ県はジャフナ県よりも被害が大きく、浸水で道路が寸断されたところもあります。現時点でサリー製品を作る女性たちの被災情報は入っていませんが、ムライティブ県での被災状況についてまだ全貌を把握しきれていません。
今後も土砂災害への警戒が必要であるとともに、洪水の水が引く過程でデング熱などの蚊媒介感染症や衛生環境の悪化による食中毒などのリスクが高まっています。引き続き状況を注視していきます。パルシックは関係団体や住民に状況やニーズの聞き取りを行っています。
(スリランカ事務所 谷川望美)
