特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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スリランカのベジタリアンの食事事情

  • 活動レポート

突然ですが、「ベジタリアン」と聞いてどんなことを思い浮かべますか?

「痩せている人が多い」「食べられるものが極端に限られる」などでしょうか。70%以上が仏教徒である、ここスリランカでも、ベジタリアンの人は少なからずいます。

パルシックのデニヤヤスタッフの中に、ベジタリアンが2人います。私のホームステイ先のお父さん、お母さん、おばあちゃんもベジタリアンです。「ベジタリアン」といっても種類があり、デニヤヤスタッフもホームステイ先の家族も乳製品はとる「ラクト・ベジタリアン」です。

南アジアにはベジタリアンが多いのですが、その皆が仏教徒というわけではなく、ヒンドゥー教のベジタリアンもいれば、イスラム教のベジタリアンもいます。スリランカのベジタリアンは、仏教のアヒンサ(不殺生)の教えの影響を大きく受けています。アヒンサの教えは「生命(いのち)あるものを殺すな」というだけでなく「自他の生命(いのち)を生かす、大切に生きる」ということ示しています。ホームステイ先の家族は、5年前までは肉も魚も食べていたそうなのですが、僧侶からこの不殺生の教えを受け、ベジタリアンになったそうです。

この国にはベジタリアンのレストランが沢山あり、種類も豊富です。ホームステイ先のお母さんはとても料理上手で、ほうれん草、じゃがいも、ジャックフルーツ、へちま、空芯菜、マンゴーなどなど、毎食色々な種類のカレーを作ってくれます。

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料理上手なお母さん

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色とりどりのおかず。肉や魚は使っていないが、どれも辛くておいしい。

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左から、ココナッツサンボル、いんげんのカレー、ポロス

日本でベジタリアンというと、サラダぐらいしか食べるものが無いような印象を受けますが、この国のベジタリアンの食事はバラエティーに富んでいて美味しいです。また、ベジタリアンに痩せている人が多いということもなく、ベジタリアンでない人と同じような体つきをしているか、少しふくよかな人が多いです。沢山ある野菜のカレーの中で、現地の人びとが好んで食べるのが「ポロス」と呼ばれる小さいうち(直径約20cm)のジャックフルーツ(大きくなると呼び名が変わります)のカレーです。見た目が牛肉に似ていて、食べるとほろほろとした食感で、コクも酸味もあって美味しいです。

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手のひらを広げてひと回りくらい大きいサイズのジャックフルーツ「ポロス」

スリランカには家族で食卓を囲む習慣はなく、ご飯におかずをのせたプレートを持って皆、思い思いの場所でごはんを食べます。ご飯を食べる時は、ごはんとおかずを手で混ぜて食べます。なぜこのようにごはんを食べるのかスタッフや家族に聞いたら、「手で食べたほうがおいしいから」と言っていました。私も毎日手でごはんをたべますが、やはり手でごはんを食べたほうがおいしいです。

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お母さん、今日はここでごはんを食べる様です

ちなみに、お母さんが小さい子どもにごはんを食べさせる時、ごはんとおかずを混ぜた小さなおにぎりを手の平で作り、子どもの口にぽいっと放り込みます。私はこの光景が面白くて、いつもまじまじと見てしまいます。

今回は、日本とは大きく異なるスリランカの食文化についてでした。

(デニヤヤインターン 村上紘寿美)

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