特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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#5 紅茶の茶葉が製品になるまで

  • 活動レポート

前回までで、茶畑から積んだ茶葉が紅茶になるまでを一通り紹介しました。ここまでの過程は、デニヤヤの茶畑、もしくはデニヤヤ近郊のアヒンサ紅茶工場での作業でした。今回は、この紅茶が製品になるまでの過程を紹介したいと思います。

ざっくりと流れを説明すると、共同出荷グループの紅茶は紅茶工場で12月末まで保管され、1月初めにコロンボの紅茶輸出会社へ運ばれ、ベルガモットオイルで着香、ティーバッグ用の紅茶はティーバッグに詰め、パッケージ梱包を経てから、2月末にコンテナに積まれて、コロンボ港から日本へ向かいました。

デニヤヤのアールグレイ紅茶はできるだけスリランカ産のものを使って製品に仕上げたいというこだわりがあったので、スリランカ国内で紅茶の茶葉への香り付けや、パッケージングをしてくれる会社探しから始めました。

まずは、アールグレイ紅茶にするためのベルガモット(柑橘系の果物)がスリランカで入手できるのかどうかから探しました。どうやらインドには生えているらしいという情報をつかんだのですが、スリランカ国内ではベルガモットは見つけられず、結局、ドイツの香料会社が作っている天然ベルガモットオイルを使うことになりました。

次に、パッケージとティーバッグについてですが、これも素材は一部外国からの輸入に頼らざるを得ませんでしたが、素材の成型やデザインの印刷などは、スリランカ国内で行える会社を見つけて依頼しました。はじめは、着香のための香料会社、パッケージする会社、ティーバッグを加工する会社・・・とそれぞれを別々に探していたのですが、最終的に全てを1軒の紅茶輸出会社にまとめてお願いすることになりました。

依頼先が決まってからは、紅茶輸出会社の人とテイスティングの繰り返しでした。一般的にアールグレイ紅茶を含むフレーバード・ティーには、ルフナ紅茶のような特徴のある紅茶ではなく、キャンディなど中高地でとれる紅茶が使われます。ルフナ紅茶を使って、しかも「優しい風味になるように」という注文をつけましたので、紅茶輸出会社の人にとっても初めての挑戦でした。ティーバッグに入れる紅茶の茶葉等級、サイズ、量、香料の種類と濃度の組み合わせで、何度も何度もサンプルを作ってもらい一緒にテイスティングしてもらいました。最後の方は、香料の濃度を2.25%にするか2.5%にするかという細かい違いまで気になってしまう私に、紅茶会社のプロが「もはや心理的な違いで、自分では目隠しをしたら違いが区別できないよ」と言いながらも、面倒くさがらずに付き合ってくれました。

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これはスタディーツアーの時のテイスティング体験の様子ですが、まさにこの部屋に何度も通ってテイスティングをしました

味を決めるのと同時にパッケージの素材、印刷方法を決め、日本から送ってもらったデザインを使って外袋を準備したり、ティーバッグのタグの方向を決めたりしました。パッケージングはピラミッド型のティーバッグバッギング機械がないため、別の工場でお願いしました。

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紅茶会社とタグの印刷確認をした資料。タグの印刷の方向なんて気にしたこともありませんでした!

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ピラミッド型ディーバッグ機械

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機械から出てきたバッグは、確認されて手作業で外袋に入れられます。ちなみにこの工場はスリランカの紅茶梱包工場の中でもかなりキレイな工場です

こうして、2月初めには、全て製品の準備が整い、さあ輸出!となってから、意外と時間がかかりました。
次回は、スリランカからの紅茶輸出についての経験をご報告します。

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在庫管理のプロ、スバシンハさんと、段ボール箱に入って準備万端のパルシック紅茶

(スリランカ デニヤヤ事務所 高橋知里)

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