特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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ジャマイン、より良い環境に向けた新たな一歩 ―環境クラブの活動成果発表会―

  • 活動レポート

いよいよこの日がやってきました。

4月22日、事業地ジャマイン町にて、環境クラブ学生による2017年度の活動成果発表会が盛大にとりおこなわれました。会場は、300年以上前に建てられたオスマン帝国時代の石造りのホール。発表会用に飾り付けられたステージを前に、環境クラブの学生、保護者、学校の校長や教員、教育省職員、パルシックスタッフが集まり、みんなの期待を寄せて、会は進行しました。

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オープニングセレモニー、懐かしの鍵盤ハーモニカでパレスチナ国歌を演奏

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この日のもう一人の主役、司会進行役のヤラ

ところで、ジャマイン環境クラブが創設されてからもうすぐ2年が経ちます。

分別なしのゴミの埋め立てや、無計画な石材採掘で環境汚染の進むジャマイン町。雨季が終わると粉塵の季節がやってきて、窓を数時間開けているだけで、家具も床も埃にまみれてしまいます。

そんなジャマイン町だからこそ、若い世代に向けた環境教育は大切な活動のひとつです。

ジャマイン環境クラブの目指すゴールは、環境に対する意識や態度をあらため、自分たちの安全な未来のため、個人や学校そして社会全体に働きかけて、環境汚染によるマイナスの影響を減らすことです。

今年の発表会では、2017年度の活動をふり返り、学生たちが環境をテーマにしたさまざまな発表を行いました。

たい肥づくりから始まった2017年の環境クラブ活動、ペットボトルのリサイクルや、有機農業施設への訪問など、プロジェクト期間中の学びや体験についてプレゼンテーションを行った女子学生たち。会場に集まったたくさんの観客のプレッシャーにも物怖じすることなく、自信いっぱいの女子学生たちは、プロジェクターがいきなり停止するというハプニングにも、慌てることなく発表を続ける大人な対応。それもこれも学生たち自身が、自分たちの活動をしっかりと理解している証だと思います。

”プレゼンテーションだと気が乗らないが、劇ならば” と、今年度は、環境啓発劇に挑戦した男子学生たち。ジャマインの汚染問題をテーマにした劇は、ジャマイン住民たちの心に刺さったのでしょうか。環境クラブ学生の一人、ビラールくんがジャマイン町の石材採掘の問題や、日々人びとがどれだけの被害を受けているかを話し出すと、待っていましたと言わんばかりに、観客たちが拍手喝采をする場面もありました。

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誇らしげに、2017年度終了証授与式

パルシックのスタッフたちも、自信をもって発表をおこなう学生たちの姿に、昨年度からの成長を感じる日となりました。

学生の発表にあわせて、出席者からもたくさんの言葉をいただきました。教育省のアビール・フーリエさんは

「学生たちほど私たちの社会を変えてくれる存在はいないです。私たちも一緒に行動を起こしましょう!いつか、ジャマインの学生たちが、より良い環境のために未来をけん引するリーダーになってくれることを信じています。日々の幸せや健康的な毎日は、気持ちの良い環境があってこそ。私たちはそのことを忘れてはいけません」

と観客たちに強いメッセージを送ってくれました。

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子どもたちの雄姿を見に来た母親たち、最後は一緒に記念撮影

環境保護はだれも取り組むことのできない途方もない難題でしょうか?

もし地球上に住むすべての人びとが小さな一歩を踏み出すことができれば、それは決してむずかしい問題ではなくなるかもしれません。たとえば、ゴミの量を減らしたり、革新的なアイデアで古いものを生まれ変わらせたり、捨てる代わりに壊れたものを修理して使ったり、小さな一歩は日常にあふれています。

今はまだまだ小さな活動ですが、この日小さな一歩を踏み出したジャマイン町のように、一人ひとりが自分たちの生活や未来を守るため、行動を起こしていけることを信じています。

※この活動は「ジャマインにおける廃棄物の再利用を通した地域循環型農業モデル形成」事業の一環です。
  地球環境基金の助成と皆さまからのご寄付で実施しています。

(パレスチナスタッフ ヤラ)

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