特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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(元)医療従事者の声 – ミャンマー

  • 活動レポート

いつも温かいご支援をありがとうございます。
2023年6月12日から、元・医療従事者への支援活動のためのクラウドファンディングを始めました。

戦闘が続くミャンマーで、国内避難民に無償で医療を提供している元医療従事者たちを支えたい!

期間:2023年6月12日(月)13時~8月31日(木)18時
目標金額:100万円 (達成しました!ネクストゴール150万円挑戦中)

8月7日時点で、113人もの方からご支援いただき、107万円が集まりました。より多くのお金が集まれば、より多くの医薬品を届けることができます。 ネクストゴール150万円を目標に頑張っておりますので、どうぞ応援よろしくお願いします。

このクラウドファンディングで支えたいのは、病院が無い地域で人びとの治療に当たる、元・医療従事者たちです。

2021年2月のクーデターの後、公務員であった医療従事者のなかで、国軍に異を唱えた人たちは、それまで働いていた公立病院では働けなくなりました。見つかると逮捕される可能性があるため、家も追われてしまいました。家も、収入も無くなり、絶望的な状況へと追いやられた元医療従事者たちですが、自身の生活が困窮しているにもかかわらず、ボランティアの医療従事者として、避難先の地域の人びとの治療に当たっている人たちがいます。 そんな元医療従事者たちが医療の提供を続けられるように生活費をサポートし、必要な医薬品を届けます。

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国軍に燃やされた家のあと

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国軍に燃やされた自転車

元医療従事者たちは今、何を思い、何を願うのか、現地からの声をお届けします。

Kさん(外科助手)

市民不服従運動(CDM)に参加する以前は、地域の総合病院で働いていました。総合病院では、専門医による治療や医療支援を提供していて、新型コロナウイルスの感染拡大のときにも地域の人びとに医療を提供し続けていました。CDMに参加し職を失ってからは「よい治療をしたい!」という熱意はあっても、必要な物資を購入する余裕がありません。薬、医療機器、手術機器、超音波などがないため、高度な医療を提供することができないのです。CDMに参加したのは、決して働きたくないからではありません。ボランティアでできることは、なんでもやっています。それでも、私の患者さんたちには申し訳ないと思っています。彼らのことをもう治療できなくなってしまい、私がCDMに参加したことを理解してもらえないのではと心配しています。

※「理解してもらえないかもと心配している」というKさんからのメッセージに、私たちも心配になり、現地スタッフに確認したところ「人びとは医療従事者にはCDMに参加してほしいと思っていて、CDMに参加した医療従事者を非難はしていない。ただただこの現状(国軍がもたらした医療・公衆衛生の崩壊)に落胆している」とのことでした。人びとはCDMに参加した人に連帯を示すことが難しい状況のため、KさんのようなCDM参加者に励ましや応援の声が十分に届いていないのだろうと思われます。

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森の中の国内避難民の家

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家を作る国内避難民

とにかく医薬品が不足しているため、治療したくても治療できない状況が、医療従事者として申し訳ないという声もあります。

Nさん(看護師)

CDMに参加する前は、昼夜問わず救急患者を治療していました。多少の困難はありましたが、適切な医薬品と医療機器で手術ができていました。しかし今は、あらゆる面で困難に直面しています。夜間外出禁止令のため、緊急の患者の治療ができないのです。医薬品も不足しているため、出産時の処置ができない妊婦や、酸素吸引が必要な患者が特に危機的な状況に置かれています。心筋梗塞の患者は、朝まで痛みに耐え続けなければなりません。手術を受けるには都市の病院まで行く必要がありますが、高額な医療費を払えないために治療を受けられない患者も少なくありません。

CDMに参加した看護師として、治療を必要とする人を治療できない現状を、本当に申し訳なく思います。もし必要な医療器具と医薬品、手術に必要な設備があれば、高齢者、患者、緊急患者を助けることができます。そして地域の人びとの抱えるリスクが軽減され、治療が必要な時や緊急時に、より安心することができます。医療用品、医薬品、医療器具の支援を心からお願いします。

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移動する国内避難民

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国内避難民の家

医薬品が不足しているだけでなく、医療従事者たちの生活も非常に厳しい状況です。CDMに参加して職を失い、今はボランティアで訪問診療をする2人に話を聞きました。

Cさん(訪問診療チーム)

CDMに参加する前は、人生は順調でした。毎月もらえるお給料で、私の家族は暮らすことができていました。2003年9月13日に夫が亡くなってからは、娘と私の2人で暮らしています。月収は10万チャット(当時のレートで約7,800円)と、多くはなかったので、洋服を一括払いで買うことは出来ませんでしたが、お店にお願いして、つけ払い(後払い)で買うことが出来たので、問題ありませんでした。食べ物やお菓子だって好きなものを買えましたし、結婚式のお祝儀やお葬式の香典も渡せました。専門的な治療が必要な時は、私が働いていた病院で適切な治療を受け、医薬品を処方してもらっていました。

CDMに参加してから、人生は非常に辛いものとなりました。収入が無く、この辛さは筆舌に尽くしがたいものです。これは極度の困難です。何が起ころうと私はCDMをやめませんが、生活はとても厳しいです。以前のように十分に物を買うことは出来なくなりました。払える見込みが無いため、つけ払い(後払い)で買うことすらできません。頼れる夫もいません。親戚に頼んで2回、お金を恵んでもらいましたが、これ以上頼み続ける気力はもうありません。払えるお金が無いので、結婚式やお葬式にも行けません。

娘は高校を卒業しましたが、国軍系企業での就職はしないように伝えました。この違法な政府の元で娘に働いてほしくはありません。国軍の病院で治療してもらいたくないので、今は病院にすらいけません。そのため、私と娘の生活は非常に厳しくなりました。

今は訪問診療のボランティアチームにいますが、医薬品は十分でなく、適切な治療が出来ません。いくつもの医療機器、医薬品、緊急手術用の医療器具を私たちは必要としています。

Mさん(訪問診療チームリーダー)

CDMに参加する前は、収入は多くは無かったものの、月末にお給料をもらって家計をやりくりできていたので、生活に支障はありませんでした。しかしCDMに参加してからは、生活が一気に厳しくなりました。収入が全くなく、あらゆることが出来なくなりました。収入が無いことで、夫婦間のコミュニケーションにまで悪影響が及んでいます。生活費を得るために、私たちは何かしらの仕事を探さなければなりません。

CDMに参加した私には、仕事はなかなか見つかりません。日雇い労働は私にはとても難しいのですが、今はそれを探し、やるしかありません。村に体調の悪い人や治療を必要とする人がいても、なかなか病院には行けません。民間の病院は私たちには高額すぎるのです。だからこそ、私たちは、医療支援を必要としています。医薬品と医療器具があれば、私たち、そして村の人びとは本当に救われます。

私たちのように、CDMに参加した多くの人びとは今、収入が無い状態です。訪問診療や診療所を運営できれば、村の人びとにとっても助かりますし、他のCDM参加者にとっても、収入を得られたら助かります。私たちは医療物資を必要としていて、今は必要な量に全く届いていません。どうか医療に必要な支援をお願いします。

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抗議する市民

(パルシック 東京事務所)

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