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あんずの木に未来を託して~アルイマン校のサマースクール2025~

  • 活動レポート
  • レバノンでのシリア難民への教育支援事業
  • シリア・レバノン・トルコ

今回は、私たちがレバノンで教育支援活動を行っているアルイマン校のサマースクールの一コマを紹介します!アルイマン校で夏休みに毎年行っているサマースクールでは、通常は1年間学んだことをレクリエーションも交えながらみんなで振り返ります。今年は少し趣向を変えて、課外学習の一環としてあんずの木の植樹などの農業体験学習を行いました。

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あんずの木を植える子どもたち

アルイマン校があるアルサール市はシリアと国境を接するため、シリア内戦中の一時期、過激派反政府グループの支配下となり、その影響でレバノン軍の軍事制限区域に置かれ、またアサド政権を支援していたヒズボラも加わり、数年間にわたる武力衝突の舞台となりました。

さくらんぼやあんずで知られるアルサールでは、この期間に多くの果樹が失われました。手入れ不足のために枯れてしまったり、砲撃により焼失したり、燃料のために根本から切られてしまったりした木もありました。

このような背景もあり、平和なアルサール、そしてシリアの復興への想いを込めて、今年のサマースクールでは子どもたちとあんずの木を植えました。苗木を植えて肥料と水やり、空き時間には子どもたちが苗木の様子を見に行くなどみんな興味津々です。

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水やりをする子どもたち

今回のアルイマン校のサマースクールには、シリア人とレバノン人の子どもたちが参加しています。普段は学校のシフトが異なるために一緒に学ぶことはないのですが、サマースクールは、一人ひとりの出自や境遇を超えて、子どもたちがみんなで一緒になって活動することのできる数少ない機会です。

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笑顔のレバノン人とシリア人の子どもたち

シリアでは内戦が終わり新たな国づくりが始まっています。一時は内戦の暴力と混乱の舞台にもなったアルサールやシリアが新たなステージに向けて歩み始めた今、アルイマン校のあんずの木は、境遇や国境などといった隔たりを超えて、一人一人が尊重し合い共存する時代への小さなシンボルのようにも思えます。

「将来をつくるのは子どもたち」というのは、アルイマン校のスタッフの合言葉です。ゆっくりと時間をかけて育つあんずの木のように、子どもたちがそれぞれの将来の実を育んでいけることを祈っています。

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将来をつくる子どもたち

(レバノン事務所 土橋弘)
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