特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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ボランティアレポート Vol.2~地域の人がちょっと立ち寄ってみたい場所を目指して

  • 活動レポート

こんにちは!みんかふぇスタッフ吉浦です。
今回は、ボランティアの倉澤さんにレポートをお願いしました。

昨年9月から、みんかふぇの様々な活動にご参加いただいていて、カフェ営業のときには「いつもの人は?」とお客さんや子どもたちから聞かれるほど、顔なじみのボランティアさんです。3月末には、倉澤さんに企画いただいた、「みんなで楽しむコンサート」も開催しました。コンサートについても触れていただきましたので、ぜひご一読ください。

地域の人がちょっと立ち寄ってみたい場所

私は、昔から子どもの教育や貧困の問題に関心があったものの、会社勤め時代は忙しくて、関連のNPOに多少の寄付をする以外は何もできずに過ごしてきましたが、昨年8月末の退職を機に一念発起して、ボランティア活動を開始することにしました。とはいっても、右も左もわからない中で自分に合ったボランティア先を探すのは結構大変なことでしたが、たまたま「都内の(なじみのある)京成沿線、子ども食堂、海外とのつながり」をキーワードにして探す中で、「コミュニティカフェみんかふぇ」にたどり着くことができ、9月から「みんかふぇ」のさまざまな活動に参加しています。

おかげさまで、吉浦さん、小柴さんはじめスタッフの方々、先輩ボランティアの方々にいろいろ教えていただきながら、カフェ、フードパントリー、子ども食堂などのみんかふぇ活動において、これまでいろいろな役割を経験させていただいています。

いまだ経験の蓄積途上ではありますが、この間、私の中で、「居場所つくり」の意義が、当初考えていた「経済的に困っている人、あるいは生きづらさを感じている人たちへの(ある種一方向な)支援の場」から、「世代や文化の違いを超えて、お互いに助け合ってゆく、(双方向の)交流の場所つくり」という考えに変わってきているのを感じています。

と同時に、「居場所づくり」と一言で言っても、現実的にはいろいろな難しさもあり、とても奥が深い活動であることもわかってきました。それだけに、やりがいのあるボランティア活動ができる「みんかふぇ」に巡り合えて、ほんとによかったと思っています。

この6か月の間には、いくつか印象に残るできごとがありますが、今日は、3月26日にみんかふぇで開催された「みんなで楽しむコンサート」を中心にお話します。これは、私が初めて企画したイベントであると同時に、みんかふぇが現在の白鳥町に移ってきて初めて開催するコンサートでもありました。

今回演奏してくれたのは、「アンサンブル・コンフォルタ」というフルートカルテット(フルート、バイオリン、ビオラ、チェロからなる)で、市川を中心に活動するアマチュアオーケストラ「市川交響楽団」の主要メンバーが2年前に結成した団体です。 数か月前に、「みんかふぇ」の活動を紹介したところ、地域住民の交流の場つくりの一環として協力したいとの意向が示されたことから、吉浦さんにご相談し、みんかふぇ主催の文化イベントとして実現したものです。

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開催前は、初めてのコンサートにいったい何人の人が集まるのか、不安な気持ちもありましたが、あいにくの雨模様の天気にもかかわらず、常連さん、フードパントリーや子ども食堂に来られている方々、近所の小学校に通っているお子さんとのその家族、ボランティアさんなど多くの方々(総勢25名、うち子供6名)にご参加いただき、盛況のうちに無事終わることができました。

当日のイベントは、まず吉浦さんからのみんかふぇ活動を紹介するあいさつで始まり、次にメンバーと楽器の紹介の後、演奏に移りました。曲目は、わかりやすいクラシックの曲に加えて、バロック風にアレンジした「春よ、来い」、「となりのトトロ」や「アナと雪の女王」の主題歌など子どもにも親しみやすい8曲を演奏し、最後に小学校でも習う「ビリーブ」という曲を「コンフォルタ」の伴奏で全員合唱しました。

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「コンフォルタ」とは、暖かい、心地よいという意味のスペイン語だそうですが、その言葉通り、イベントは終始和やかな雰囲気で進み、子どもたちからは途中手拍子も起こりました。また小さな子どもたちも45分間、むずがることなく聴き入っていました。演奏後のアンケートでも、回答した18名全員の方に満足をいただけたようで、「すばらしい演奏だった」、「身近で生の演奏を聞け、楽しい時間を過ごせた」などの好意的なコメントをいただきました。

当日は、小規模ながらカフェ営業も行い、飲み物として、みんかふぇの一番の人気商品であるコーヒーとアールグレイのみをホットで提供しましたが、幸い時間当たりとしては過去最高となるほど多くの注文を受け、カフェとしても充実した時間となりました。

今回のコンサートに関連したエピソードを1つご紹介します。 演奏後に参加者と雑談した中に、お子さんたちと一緒に来られた白鳥町に住むTさん夫妻と立ち話をする機会がありました。実は彼らもアルトサックスなどの楽器を演奏するそうで、現在、お子さんの保育園のご家族とバンドを組んで練習しているので、今度は自分たちも演奏する機会が持てたらというお話がありました。私からは、(勝手ながら、笑)将来的に地域の音楽愛好家の方々が集まれる機会が持てたらというお話をさせていただきました。その後、ご丁寧なフォローのメールもいただき、これからも、みんかふぇでの往来やメールを通じて、交流を続けていくことになりました。  

実は、このご夫妻がコンサートの開催を知り、参加することを決定したのは、直前の金曜日夜とのことでした。きっかけは、金曜日午後にお子さんたちがカフェにたまたま遊びに来た際に、チラシを渡して宣伝したことを受け、家に戻って両親にコンサートに行きたい!とせがんだことが理由とのことでした。みんかふぇが地域に受け入れられ浸透してゆく過程では、「こどもたち」が優秀な伝道師となることを示している良い例だと思いました。これは、昨年10月に町内で行われたハロウィンイベントにみんかふぇが初めて参加して以降、子どもたちの来訪が増え、それに伴ってご家族もカフェに立ち寄られるようになった経験とも符合するものです。

私には、現時点で(個人的に勝手に!)思い描いているカフェの当面の目標があります。それは、「(あんまりカフェっぽくない所だけど)地域の人がちょっと立ち寄ってみたい場所」の早期実現です。

– あそこに行くと、何故かホッとする、癒される
– あそこに行くと、必ず話し相手がいて相談に乗ってくれる
– あそこに行くと、何か面白いイベントをやっている
– あそこに行くと、安くて美味しいオーガニック飲料(コーヒー、紅茶など)を楽しめる
– あそこに行くと、海外のいろんな国の人と友だちになれる

今回のコンサートでは、そんな居場所づくりへの具体的な試みの1つとして、手ごたえを感じることができました。これまで行われてきた衣服交換会、餃子イベントなどに加えて、今後もいろいろな企画を立て、スタッフの方と相談しながら実現していけたらいいな、と思っています。

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(みんかふぇボランティア 倉澤由和)

※この事業はニッセイ財団、赤い羽根共同募金と皆さまからのご寄付で実施しています。

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