特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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デイル・バルート村での植樹イベント(1)

  • 活動レポート
  • 西岸地区での植樹を通した環境保全・緑化事業
  • パレスチナ
  • 経済自立支援事業

パルシックは2016年から、ヨルダン川西岸地区で植樹活動を続けています。地域に緑を増やし、人びとが安心して過ごせる場をつくることを目的とした取り組みです。今年で10回目となる活動は、セルフィート県のデイル・バルート村で実施しました。

デイル・バルート村は、ヨルダン川西岸地区とイスラエル領の境界に隣接する地域です。村の90%以上がC地区、残りもB地区に分類されており、治安・警察に関する権限はイスラエルの管理下に置かれています。複数のイスラエルの入植地に囲まれ、さらに分離壁が村内を分断する形で設置されています。

2023年以降、ガザ地区で人道危機が続く一方で、ヨルダン川西岸地区でも状況は厳しさを増しています。デイル・バルート村でも、村の出入り口にはイスラエル軍によって鉄製のゲートが設置され、住民の移動が制限されています。入植者によるパレスチナ人への暴力も激化し、村の人びとは日々、不安や緊張を抱えながらの生活を強いられています。

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ヨルダン川西岸の地図(各種資料を基にPARCIC作成)

このような状況下で、住民が少しでも安心して過ごせる場をつくることを目的に、公園での植樹活動を行いました。1月初旬に住民21人が参加し、村の診療所の前の空き地に木を植えました。当日は40名ほどが参加する予定でしたが、村でお葬式があったため、参加人数は予定よりも少なくなりました。それでも5歳の女の子から、普段は外に出る機会が減っていた高齢の方など、幅広い年齢層の住民が参加しました。杉やジャカランダなど大きく育ち、暑い夏には木陰を提供してくれる木や、ぶどう、イチジクやオレンジなどの果樹、バラやハイビスカスなどの花も植えました。さらに、今回は植樹用苗を購入した種苗店が、20株ほど花の苗を提供してくれました。イスラム社会では、ラマダン前に喜捨(施し)を行う習慣があります。植樹会の後にラマダンが控えており、種苗店がこの事業に賛同してくれ、寄付してくれたのです。自分たちの手で木を植えることは、日常の中に安らぎをもたらすと同時に、果樹を植えたことで実りへの期待を共有する時間にもなりました。

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ジャカランダの苗を植えた後、有機堆肥を与えました

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参加した者の中で最年少だったアファフちゃんが抱えているのは、種苗店が寄付してくれた花の苗です

また今年は、公園での植樹に加え、村の学校でも環境教育の一環としてハーブの植栽を行いました。植えたのは、現地では「ザータル」と呼ばれるタイムです。ザータルはパレスチナの食卓に欠かせないハーブです。農業専門家が育て方を説明しながら、子どもたちと一緒に植えました。自分たちで育てたものを収穫し、食べるという経験は、農業への理解を深めるだけでなく、日々の暮らしとのつながりを感じる機会にもなります。

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学校の敷地内で、ザータルの苗を一つ一つ丁寧に植えました

子どもたちとハーブの植栽を行った校長先生は、次のように話しています。

2025年9月以降、子どもたちは週に3日しか登校できていません。パレスチナ自治政府の財政状況が厳しく、教師の給与が十分に支払えないためです。遠足や学校行事もできなくなり、子どもたちが楽しく過ごせる時間が限られています。今回、子どもたちは教室を離れて土に触れ、ザータルを植える時間を楽しむことができました。うまく育てて収穫できた際には、新鮮なザータルを入れたパンを作って子どもたちと食べたり、学校バザーで販売したりしたいと考えています。その収益を活用して、校内のハーブガーデンをさらに広げていきたいと思っています。

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参加した子どもたちと校長先生(写真右端)

(パレスチナ事務所)

この事業は、国土緑化推進機構緑の募金の助成と皆さまからのご寄付により実施しています。

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