市場へ、学校へ、未来へ―マウベシで開通した新たな道
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3月26日、山本恭司・駐東ティモール日本大使、アイナロ県知事代理、マウベシ郡長代理、村長、集落長らを迎え、2023年3月からマウベシ郡で実施してきた「女性の生計向上を通じた子どもの栄養改善事業」において施工した道路および橋梁の開通式を開催しました。
今回整備した道路と橋梁は、花卉栽培で生産した花を市場へ納品するためだけでなく、子どもたちの通学路として、また住民の日々の経済活動を支える重要なインフラとして、3村6,000人ほどが日常的に利用する道です。

マウベシ郡の伝統的な儀式での出迎え後、テープカット

司教による祈りの後、開通
住民が維持できる道路づくりを目指して
2023年から取り組んできた、マウベシ郡エディ村ライメラ集落における道路および橋梁補修。本事業では、NPO法人道普請人の専門家の田川満男さんに年1回東ティモールに来ていただき、計画立案からモニタリングまで継続的な助言をいただきました。
施工にあたり大切にしたのは、「住民自身が補修しながら長く使える、質の高い道路をつくること」という視点です。田川さんからは、その考え方を軸に現地エンジニアへの技術指導を行っていただきました。

専門家の田川さんと現地エンジニア。大変な現場ですが笑顔が絶えません
当初、現地エンジニアたちは「機械を使ったほうが早く効率的ではないか」と考えており、すべて手作業で行う施工方法に戸惑いも見られました。しかし、工程を理解し、自ら施工できる力を身につけることが、将来的な補修や他地域での応用につながることを徐々に理解していきました。
気候変動の影響による長引く雨や土砂崩れにも悩まされながら、エンジニアチームと住民の協力により、道路補修526m、側溝水路620m、橋梁1箇所、川底コンクリート打ち2箇所の施工を無事完了することができました。

道路補修作業の様子


完成した道路と橋梁
インフラ整備が支える生計向上
開通式後は、コーヒーおよび花卉栽培に取り組むエルダウトゥバ・グループを訪問しました。2024年、東ティモールコーヒー協会主催のコーヒーフェスティバル品評会で1位を受賞したジョアオンさん率いる同グループでは、コーヒーの木の若返りを積極的に進めたことで品質改善が進み、2025年の収穫は近年まれにみる収量となりました。

コーヒー畑について説明するジョアオンさんの甥モイゼスさん(左)
また、女性たちが中心となる花卉生産では、畑や堆肥生産場所の管理が非常に丁寧に行われています。ルシアナさんはディリの生花店へ定期的に納品を行っており、「品質のよい花をつくることが市場からの信頼につながる」と、品質確保の重要性を改めて実感していると話してくれました。

花卉栽培の畑を案内するルシアナさん(右)
本事業は、助成事業としては2月末をもって3年間の取り組みを終了しました。栄養チームが毎月伝えてきたバランスのよい食事の実践、花卉栽培の継続、そして道路の維持管理が、今後も住民自身の力で続いていくよう、引き続き見守っていきたいと思います。
東ティモール事務所 林 知美
※この事業は外務省NGO連携無償資金の助成と皆さまからのご寄付により実施しました。
