なごみから見える復興期の能登
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こんにちは。昨年11月に能登事務所に着任しました新宅です。どうぞよろしくお願いします。
能登町でパルシックが運営する居場所「なごみ」で最近開催したイベントの模様をご紹介します。
珍しく気温が上がった土曜日に、なごみで餅つき大会を開催しました。地元の防災士会さんが声をかけてくださり実現に至りました。
開始は11時の予定でしたが、10時半にはすでに餅つきを楽しみにいらっしゃった方々が集まり始め、ちょこんと並んで椅子に座っていらっしゃいます。声をかけると「ここで餅つきがあるって聞いたの。」と教えてくれました。皆さんのお餅に対する思い入れの深さを感じます。
防災士会の方たちに協力いただき、玄関前で大人も子どもも、そして私も杵(きね)を握りました。まっすぐ杵を振り下ろすのは想像以上に難しく、何度も臼の縁に当ててしまいましたが、そのたびに周りから温かい笑いが起こりました。子どもたちも小さな杵で懸命に餅をつき楽しそうでした。

子どもたちが順番にもちをつく様子。難しいけど楽しい
午後からは防災カルタ大会を行い、防災にまつわる読み札が読まれると、子どもたちは床いっぱいに広がった大きな絵札を探し当てました。小さな子も小中学生たちも一緒になって楽しむ様子は、子どもが少ない地域ならではの光景かもしれません。
100名を超える方々にご参加いただき、つきたてのお餅と温かい豚汁をふるまうことができました。「美味しかったよ。ありがとう。」そんな言葉を帰り際に伝えてくださり、無事に開催できたことに安堵しました。

手作りの防災カルタを楽しむ子どもたち

100名を超える方にお越しいただき、にぎやかななごみ
また、ある平日のお昼にカラオケ大会を実施しました。「大会」と銘打ったものの、周知が直前になってしまい実際には12名の参加となりました。そのため、代わる代わる歌ってカラオケ喫茶のような雰囲気に。いつもなごみにご飯を食べに来てくださる近くの仮設住宅に住むグループも参加してくれました。最初は恥ずかしそうな雰囲気でしたが、1曲歌えばこちらのもの。気持ちよさそうに歌う様子は、歌が苦手な私からすると羨ましいものでした。そして最終的には、なごみスタッフも歌って楽しく盛り上がりました。

即席のステージで歌声を披露する参加者たち

最後はスタッフも参加し熱唱!
「地震の前は餅つきしとったけどね。」「震災が起きてからはあんまりカラオケに行かなくなった。」日常の会話にふと混じる言葉から、災害が人びとの生活に与えた影響の大きさを改めて実感します。着任以来、能登の皆さん誰もが温かく迎えてくださり、優しく接してくださいます。そんな方々がふと漏らす不安や悩みの大きさに胸が痛みます。
「家をどうするか決めかねている。」「家の修理がなかなか進まない。」「事業再建の目途が立たない。」「職場の人手不足で休みがない。」「支援のあり方に不公平さを感じる。」…
一人一人が抱える悩みは深く、複雑です。物理的な再建が始まろうとしている復興期の今だからこそ、個々の心にのしかかる不安や孤独感は、より深刻なものになっているかもしれません。すぐには解決できないことばかりですが、それでも一人一人に寄り添いながら、少しでも癒され楽しい時間をなごみで過ごしてもらえるよう今後も活動を続けていきます。
(能登事務所 新宅聡子)
※この事業は、ジャパン・プラットフォーム、ALAMCO SRI 社会貢献ファンド(愛称:あすのはね)の助成と皆さまからのご寄付で実施しています。
