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スタッフレポート

AIDA緊急共同声明文への賛同と拡散の呼びかけ

ベツレヘムのUNRWAドゥヘイシャ難民キャンプ

 去る12月6日、トランプ米大統領は、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、在テルアビブ米大使館のエルサレム移転を宣言しました。国連総会では「首都認定」撤回を求める決議が圧倒的賛成多数で可決された一方、決議を不服としたトランプ政権は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出金を凍結しました。

 これにより、パレスチナや近隣諸国で子どもたち52万5,000人が教育の機会を失い、シリア国内を含め数百万の難民たちが食糧や医療などの基本的ニーズを満たせなくなるといわれています。またUNRWA機関で働く多くのパレスチナ人が失業の危機に晒されています。

 イスラエル占領下パレスチナで活動する70以上の国際NGOで構成されるAIDA(Association of International Development Agencies)の一員として、パルシックは同機関によって出された緊急声明に賛同し、また声明文の拡散を呼び掛けます。

PRESS RELEASE: For immediate release
70+ INGOs foresee deterioration in the humanitarian situation in the oPt

以下、AIDA声明全文(翻訳)

AIDA緊急共同声明
【70以上の国際NGOがパレスチナにおける人道的状況の悪化を懸念】

 イスラエル占領下パレスチナで活動する、70以上の国際NGOで構成されるAIDAは、何百万人ものパレスチナ難民に対する支援を政治的目的に利用しようとする、アメリカ合衆国政府の最近の決定[1]に警戒を強めている。パレスチナ難民のために活動することを第一の任務とする国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金援助の削減は、甚大な人道的影響をもたらすことになるだろう。

 人口約200万人のうち、70%以上が難民であり、80%以上が日常生活のニーズを満たすために海外からの援助に依存しているガザ地区においては、特に深刻な影響が予想される。過去10年間のイスラエルの封鎖に続く米国の資金削減は、食料不安、扶助依存、貧困、孤立、失業、絶望の増加につながり、ガザの脆弱な経済に一層の打撃をもたらすだろう。

 国際人道法は、軍事占領下に暮らす人びとの人道的および開発的ニーズが特定されている場合、占領軍はそれらのニーズを満たすための最終的な責任を負うと規定している。占領している側に占領権がない、もしくは占領下の人びとのニーズを満たすことができない場合、第三国及び組織は、占領地域の人びとのニーズを支援するために同地域への入域が可能となる。

 過去50年間、イスラエルはパレスチナ人に対する軍事占領を継続し、第三国はパレスチナ人に対する人道・開発支援の費用を提供してきたが、その結果として「占領下の人びとのニーズを満たす」という国際人道法上の義務からイスラエルを自由にしてきた。

 人道的援助は、特定されたニーズに基づいて提供されるべきであり、いかなる状況においても政治的目的を果たす手段として使用されてはならない。したがって、AIDAは、イスラエル、米国、その他の第三国に対し、人道危機を回避するために、脆弱なパレスチナ人に対する人道支援および開発援助の継続的な提供を確保するよう求める。

 同時に、AIDAは米国とその他の第三国に対し、ガザの違法封鎖解除を含む50年以上にわたる長期的な占領を終わらせるようイスラエルに圧力をかけ、そしてまたイスラエル人とパレスチナ人の人権と安全を保証し、尊厳を回復させる恒久的な解決に向かい尽力していくことを求める。

[1] アメリカ合衆国、トランプ大統領は2017年12月6日にエルサレムをイスラエルの首都と認め、在テルアビブ米大使館をエルサレムへ移転する手続きを開始すると宣言。