特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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トルコ:震災から10か月が経過しました。寒い冬が目の前です

  • コラム

パルシックが活動しているカハラマンマラシュ県のギョクスン郡では、少し前から夜になると気温がマイナスになるほど寒くなり、地域住民は冬支度を始めています。真冬には雪も積り、気温はマイナス20度まで下がるそうです。支援している村の中には、雪が積もると他の村への道路が使えなくなり孤立する村もあります。ギョクスンの村々ではそんな冬支度の一環で、毎年夏の終わりごろから、漬物づくりや野菜や果物を乾燥させる作業を開始し、寒く閉ざされた冬を越す準備がされています。

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乾燥唐辛子をつくる様子

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乾燥ピーマンをつくる様子

ギョクスン郡が冬支度を始める10月には、リンゴの収穫も始まりました。トルコ国内でもギョクスン郡のリンゴは有名で、収穫された多くのリンゴは、震災以前は毎年、中東、湾岸諸国、ヨーロッパに輸出されていました。パルシックの支援する村々は特にリンゴが有名ですが、今年2月の震災の影響で、リンゴ農家の大半は、テントやコンテナでの避難生活を続けており、リンゴ農園の十分な手入れができませんでした。そのため、リンゴは収穫できるものの質は悪く、今年は輸出することができません。それらのリンゴは、ジャムやジュースに加工し、国内で消費することになると農家の人は話していました。

ギョクスン郡でパルシックが支援を行っている村の中に、村の名前がリンゴという「リンゴ村」があります。この村は、約20世帯が生活する小さな村で、全員が同じ苗字を持つという面白い村です。村のほとんどの家が地震により破壊され、現在はほぼ全世帯がコンテナで暮らしています。村長によると、村は山奥に位置しているため村の再建は難しく、政府は村人全員を他の場所に移動することを計画しているとのことです。

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リンゴ村の様子

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震災により被害を受けた家の様子

リンゴ村には今まで何度も訪問していますが、子どもの姿をほとんど見みかけないのが気になっていました。そこで村長に子どもたちはどこにいるのか聞くと、リンゴ村の状態はすでに壊滅的なため、子どものいる世帯は、子どもの安全や教育を考えて市内に引っ越したそうです。そして村に残っている中で、一番若い人は、村長自身だと言っていました。

リンゴ村にももちろんリンゴの木はありますが、現在は自分たちの生活を送るのに精いっぱいの状況であるため、手入れや肥料等にお金がかかる販売用のリンゴを栽培することは無いそうです。そして政府が立てた移転の計画もあるため、残念ながらこのリンゴ村は近いうちに無くなってしまうことになりそうです。このような状況は一例で、他の村でも、農業を辞めたり、子どもの教育優先で市内へ引っ越したりした世帯が多くいると聞きました。

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リンゴ村のリンゴ

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リンゴ村で村長とリンゴ狩り

寒い冬がもう目の前まで迫っています。今までコンテナで避難生活を送っていた世帯も、暖房設備がないコンテナで寒すぎて生活ができないため、引っ越しを考えているという声もいくつか聞きました。パルシックでは現在、コンテナで避難生活を続ける世帯が、冬を少しでも快適に過ごせるよう、コンテナの防寒補強や越冬物資配布の計画を行っています。そして冬が明けたときには、地震の影響で今年農業活動を再開できなかった農家に対して、農業再開のためにどのような支援ができるか模索中です。

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(トルコ事務所 大野木)

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