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東ティモール

グルメレポート1 「クラウル」

東ティモール料理ってなんですか?

東ティモールに来て10年がたちました。日々いるだけで日本人滞在記録を更新しています。「じゃあ、東ティモールのことは何でも知っていますね」と言われるのがとても怖い。

聞かれて困る質問のひとつに、「東ティモール料理ってなんですか?」というのがあります。ないはずはないのに即座には出てこない。当ホームページ「ジャフナダイアリー 〜スリランカ漁村生活〜」にはスリランカ北部の食文化がレシピ付きで掲載されていますが、同じものを東ティモールから発信してくださいと言われると2日でネタが尽きます。街中にある気軽な食堂はほとんどインドネシアの影響を受けたものだし、ティモールの女性たちが腕を振るって作る晴れの日の食卓は、料理名を聞くとどれもポルトガル語だし。

有名なもので魚を香辛料と一緒にバナナの葉に包んで焼いた「saboko(サボコ)」という料理があります。これは主に沿岸の漁師町で売られています。水田のないマウベシのような地域で主に食されるトウモロコシは、もぎたてを茹でて食べるのは旬だけ。普段は保存してあるトウモロコシの粒をはがし木臼で搗いて豆類やカボチャの茎と一緒に煮込み、塩や唐辛子を好みでかけて食べます。その名も「batar dan(煮トウモロコシ)」。そのまんま!です。

日本料理を代表する天ぷらや寿司、味噌汁のように広く一般に食されている「東ティモール料理」とは?――そんな疑問が頭にあって、ときどき、食卓に「これは?!」と思うものが出ると記録に残しています。これから折を見て、その「東ティモール・グルメ」シリーズをお届けしたいと思います。東ティモール料理と呼べるのかどうか知らないので東ティモール・グルメと称します。一般家庭で日常的に食されているもので、そしておいしいです。「煮トウモロコシ」のように料理名というのがなく、ただ野菜の名前で呼ばれていたりします。また家庭によって調理の仕方が違ったりするかもしれません。

一番のおススメ料理「クラウル(klaur)」

前置きが長くなりましたが、1回目の今回ご紹介するのはわたしの一番のおススメ「クラウル(klaur)」です。暑い地域で自生しているというクラウル。苦〜い葉っぱを酸味の強いゴレンシと一緒に長時間(3カップほどの水が煮詰まるまで)煮込みます。途中でかき混ぜすぎると苦みが出るので放っておくことがコツです。ドロドロに煮上がった様子はまったくおいしそうに見えませんが、口に入れると程よい酸味と何ともいえない舌触りでやみつきになります。東ティモールでは物価が激しく上昇しており、野菜も急ピッチで値上がりしている昨今、クラウルは一山25セントとお手頃価格なのもうれしいです。わたしは1ドル分を料理しても物足りないくらいですが、一般的にはおかずというより付け合せ程度に出されます。


1. これがクラウル。雑草みたいです。

2. 材料はクラウル、ゴレンシ、エシャロット、塩、油

3. この状態で煮込むこと1時間弱…

4. できあがり!見た目を裏切るおいしさです。

(東ティモール事務所 伊藤淳子)