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アルフレド・アルベルト・カルロスさん

副組合長を二期務めたのち、2009年度の選挙で二代目組合長に選出されたアルベルトさん。組合へのリーダーシップトレーニングに参加して以来「リーダーとは‥」のセリフで代表者たちを叱咤激励してきました。小柄で早口かつユーモラスな語りでコカマウを率いるアルフレドさん。彼の生い立ちを聞いて、彼の明るさの裏側を垣間見たような気がしました。

75年のインドネシア軍侵攻時、アルフレドさんは、東ティモールの独立闘士フレテリン兵士の「逃げないと殺される」という言葉に、両親、兄弟らとともに山中に逃げました。しかし、アルフレドさんだけ親戚に連れられ投降。ディリでしばらくすごしたのち1979年マウベシの出身集落クロロに戻り、両親も兄弟も山中で死亡したことを知らされました。その時、アルフレドさんは12歳の少年でした。

「投降したら殺されると思っていたのに、連れていかれた収容所では山では食べられなかった食事が出された。投降した自分だけが生き延び、両親は野垂れ死にだったと聞いている。遺骨もなかった」。以来、クロロで親戚と暮らし中学校を卒業。現在は5児の父であり、2006年からはクロロ集落の集落長もつとめます。

「組合員の25パーセントは組合を理解し始めている。残りの75パーセントが問題」――こう持論を展開する彼は、四分の三の大多数に組合を理解してもらうため、組合員の現金が底をつき、空腹を抱える時期にトウモロコシなど食料を貸し付ける事業を始めました。安く放出される政府米を組合で購入して遠隔地に住むひとたちへ販売し、組合の収益を増やすということも始めました。

アルフレド組合長の問題解決の手法には、争いをいさめる彼らなりの流儀というのを学ばされます。間違いを正すのではなく、正さないことで相手の羞恥心に訴えかける、という方法です。それで本当に解決されるのか、時間がたってみないとわからないというのが問題ではありますが、真っ向から間違いを指摘しては亀裂を深める組合員たちの性質をよく理解しているからでしょう、決断を下すアルフレド組合長は常に自信に満ち溢れています。

そして事務局には「毎月の会計報告をきちんと提出するように」と指示するなど、アルフレドさんのリーダーシップのもとに、コカマウが動き始めています。

(2009年)