PARCIC

シリア難民

食糧バスケットとヒーターの配布

2011年に始まったシリア内戦による難民の流出は現在も続き、新しく難民として着の身着のまま逃れてきた人びとの生活はもちろん、数年間にわたり難民としてテント暮らしをやむなくされている人びとの生活もまた、困窮を極めています。

現在250万人の難民を抱えるここトルコは、寒さが厳しい冬の時期となりました。シリア難民の越境が最も多いシャンルウルファ県で暮らす難民の多くは、地面にゴザを敷いてビニールシートで覆っただけのテントのなかで、氷点下となるこの時期を過ごさなければなりません。

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難民が暮らすテントの中。屋外との境界が、壁がわりのビニールシートと床に敷いたゴザだけ。

パルシックは、11月から実施しているハラン市内に滞在するシリア難民200世帯への電子バウチャーを使った食糧購入支援に加え、12月からは新たに、ハラン市郊外に滞在するシリア難民400世帯を対象とし、食糧バスケットの配布と越冬のためのヒーターの配布を開始しました。

食糧バスケットの中身は、小麦粉や米、調理油、乾燥豆、砂糖、塩など必要最低限の食品に加え、日常生活で消費する紅茶やタヒニ(パンに塗ったり、調理に使用したりするゴマペースト)なども入れ、食生活に必要なものを届けるよう工夫しました。

乾燥豆やトマトペースト、オリーブ、調理油などシリア人の食生活に合わせた食糧バスケット

乾燥豆やトマトペースト、オリーブ、調理油などシリア人の食生活に合わせた食糧バスケット

配布日当日、会場には予定時刻前から長い列ができており、子どもたちを含む多くの人びとが、今か今かと配布を待ち望んでいました。

配給を待つ人々の長い列。ほとんどが男性ですが、女性と子どもだけで訪れる家族も。

配給を待つ人びとの長い列。ほとんどが男性ですが、女性と子どもだけで訪れる家族も。

配布の際は、あらかじめ対象者として登録されたことを示すカードを提示してもらい、1世帯ずつ確認をしてから、順次配布を行いました。また、会場が混乱しないよう、配布の指揮をとるスタッフとともに、落ち着いて手続きを済ませるよう周囲に呼びかける男性もいました。

配給前に登録済みの対象者であることを、1世帯ずつ確認。

配給前に登録済みの対象者であることを、1世帯ずつ確認。

配給は、ほとんどは男性が受け取りに来て、バイクや馬で持ち帰っていましたが、なかには女性と子どもだけで、配給物を手押し車に乗せて何度も往復したり、自分より大きなヒーターを腕一杯に抱えて持ち帰る子どもの姿も見られました。

配給されたヒーターを、交代で運びながら持ち帰る子どもたち。

配給されたヒーターを、交代で運びながら持ち帰る子どもたち。

今回、多くの世帯が対象であったにも関わらず、難民の人びと自身の協力もあって、大きな混乱なく配布できました。その一方で、受給登録について知らなかったという人びとも配布場所に訪れ、配給を希望する声が相次ぎました。

トルコ国内に滞在するシリア難民の8割以上は、難民キャンプ外で避難生活を送っています。しかし、トルコ政府の方針もあり、現在、国連機関などによる大規模な支援は、ほぼ難民キャンプ内に集中しています。特にハラン市では、キャンプ外の人びとへの支援がこれまで実施されておらず、パルシックはこうした人びとを対象に事業を実施しています。

今後も継続的に、より多くの難民家族の生活を支えていけるよう活動を続けます。

家族と一緒に配給場所へ訪れ、周辺で遊びながら待つ子ども達

家族と一緒に配給場所へ訪れ、周辺で遊びながら待つ子ども達

(シャンルウルファ事務所 高田)

※この事業は、サポート・トゥ・ライフ(Support to Life)の協力のもと、ジャパンプラットフォームの助成により実施しています。
http://www.japanplatform.org/programs/syria-iraq-conflict2015/