PARCIC

スリランカ

各漁協でコンピュータ研修を実施

現在進めているムライティブでの事業では、内陸部に位置する貯水池で漁をする4漁協の強化を目的にしており、その一環として様々な研修を行っています。その中から、今回はコンピュータ研修の様子をお伝えします。

研修の様子をお伝えする前に、なぜ漁民にコンピュータスキルが必要なのかについてお話します。現在、池の漁獲量や各漁民の収入など数値的なものは全て手書きのノートで管理されています。

ある漁民の漁獲量の記録

ある漁民の漁獲量の記録

「きれいにしっかり管理しています」アピールで見せてもらったのですが、追加や訂正、削除など発生した場合、修正液もほとんど使用しないようで、次のページに書き直したりするそうです。また、現在の流れとして、淡水池の漁協を管理するスリランカ養殖開発局(NAQDA)は、漁協のIT化を推進しており、いずれはパソコンで漁獲量などを管理することが求められています。パソコン入力が出来るようになれば、数字の管理が容易になり、分析も可能になります。経験値でいつ頃が好漁期なのかはわかってはいても、各月の漁獲量や稚魚の放流数や時期などを分析し、長期的かつ計画的な蓄養や放流を可能にするのは、やはりパソコンを使えてのことだと信じています。さらに、漁協から省庁へ要望書などを提出する際、手書きが主流なのですが、これらのレターが印刷されたものになれば、信ぴょう性が増し、より真剣に受け止められるだろうと推測します。このような理由から、パソコン研修を実施しています。研修終了後、ノート型パソコン一台を各漁協へ提供する予定です。

スリランカでもスマートフォンが普及しつつある状況で、若者を中心に多くの漁民もスマートフォンを持っています。しかし、パソコンになると、各漁協に1名程度と非常に少なく、今回初めてパソコンに触れる機会を得た漁民がほとんどでした。

第1回目はパソコンの概要とマウスの使い方を主に教えました。

マダワラシンガム漁協での研修

マダワラシンガム漁協での研修

とても楽しそうです

とても楽しそうです

ムッタヤンカットゥ漁協での研修

ムッタヤンカットゥ漁協での研修

年配の漁師さんもファイル保存に挑戦中です

年配の漁師さんもファイル保存に挑戦中です

ムッタヤンカットゥ村では、研修会場に来てパソコンの研修だと気づき(?)、「自分にはできない」と帰ってしまった漁民もいました。しかし最後まで残った漁民からは、「今までパソコンは難しいもので自分には出来ないものだと思っていたが、今回の研修で、パソコンは簡単で、自分にもできることがわかったのでとても嬉しい」と言っていたのが心に残りました。このパソコン研修を通じて、オフィスなどで働く教育を受けた者だけがパソコンを操れ、教育をまともに受けていない自分たちは出来ないと思っていた漁民たちが、少しだけ自己肯定感を高めることができ、研修後何となく彼らの表情が明るくなったように思いました。パソコンスキル以外の何か大切なものを漁民が得たような気がして、パルシックのスタッフも嬉しい気持ちで研修を後にしました。

(ムライティブ事務所 飯田彰)

※この事業は、日本NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しています。