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スリランカ農村暮らしの日々[14]


[写真1] 講師から堆肥の作り方について説明を受ける

[写真2] ずらっと綺麗に並んだ茶木の苗

[写真3] 研修から戻ってから、ピヤシリさんは土壌改良のためのミミズを育て始めました。青いタンクの中には丸々と太ったミミズが。。。

[写真4] 標高が高く気温が低いので、イチゴなんかも生っています。普段は目にすることの無いイチゴを、珍しがって摘もうとしているK.G.サラットさんの息子。

アーユーボアン(シンハラ語で「こんにちは」)。随分とご無沙汰してしまいましたが、その間ジャフナへ行ったり、シンハラ語の集中特訓を受けたりしていました。また、デニヤヤでは、一緒に有機転換に挑戦するべく新たに25軒の農家が仲間入りしました。

今回は、7月初めにプロジェクト参加農家総勢50名で行った視察研修についてご紹介します。視察研修先は、紅茶で有名なヌワラエリヤ県にある紅茶研究所(Tea Research Institute)という所で、国の研究機関としてスリランカ紅茶栽培研究の大本山と言えるところです。この紅茶研究所のモホッティ博士が、有機紅茶栽培の、特に私たちのいるデニヤヤを含む低地紅茶(標高600m以下で栽培される紅茶)の有機栽培の第一人者ということで、訪問してきました。

研修では、まずスリランカ紅茶栽培の歴史についての概要(紅茶を作っている農家自身は、意外にスリランカ紅茶の歴史については知らないのです)、堆肥の作り方や施肥の効率の良い方法(写真1)、土壌管理、苗床の管理(写真2)の仕方などを学びました。また、この研究所では、有機栽培の畑と非有機栽培の畑を長期間比較観察しており、参加農家は有機栽培の茶畑が土壌や茶の木の健康状態、茶葉の収穫量に優れていることを畑を実際に見て確認することができました。

有機栽培と非有機栽培の比較研究を見学できたことは、農家にとって励みになったようです。また、参加した農家はこの研修で得た知識を早速試し始めています(写真3)。遠路はるばるヌワラエリヤまで大所帯で行った甲斐がったと思います。というのは、ヌワラエリヤはデニヤヤのあるマータラ県の隣の県ですが、この研究所までは片道11時間の道のりだったのです。総勢50名の移動でしたので、普段村を走っているバス(急で狭い山道のため、小型のバスしか走れません)ではなく、大きなバスをチャーターしました。出発は研修前日の夜中の12時でした。とは言っても、ここはスリランカですので、結局、デニヤヤを後にしたのは1時半くらいでしたが。とにかく、夜中にデニヤヤを発って、標高の高いヌワラエリヤまで、どんどん山道を登って行きました(写真4)。予定していた道が土砂崩れで通行止めのため、急遽遠回りしたのも、11時間のロング・ドライブになった要因でした。研究所に到着した11時半頃から研修を始め、4時頃には研究所を後にし、再び山道をひたすら走り、夜中の2時頃デニヤヤに戻りました。しかし、ちょうど小さなハリケーンがあったらしく、村までの道の途中で大木が倒れており、途中から歩いて村まで戻るという、最後まで中々にハードな1日でした(写真5)。

ところで、いつも農家のおじちゃんたちと旅行をすると帰り道のバスの中は、みんな歌って踊って過ごしています。老若男女に関わらず、みんなが同じ歌を歌います(世代に関わらず、同じ歌を知っているのです)。これは日本では中々無い光景だと思い、スリランカの素敵なところだなと思っています。

(パルシック 高橋知里)