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スリランカ農村暮らしの日々[13]


[写真1] なんだか日本のお盆を思い出す光景でした。

[写真2] 各家から手作りランタンを持ち寄り、お寺に飾ります。ランタンと共に下がっているカラフルな旗は、仏教の旗です。

[写真3] いつものポーヤとは違い、ウェサックではオイルランプを菩提樹の葉を模した形に並べて火を灯します。

アーユーボアン(こんにちは)、デニヤヤの高橋です。今回は、スリランカの仏教徒にとって最も大切な祭事の一つである、ウェサック・ポーヤについて紹介します。

スリランカでは毎月の満月の日はポーヤ・デーと呼ばれる休日となっています。その中でも5月のポーヤは、ウェサック・ポーヤといい、ブッダの生誕・涅槃・入滅の日と伝えられています。正直なところ宗教的なことはよく分からないのですが、ウェサックは4月のスリランカ新年に続いて、人々が盛り上がるお祭りであることは確かです。社会的な機能が色々とストップしますし、学校はウェサックに続く1週間はお休みでした。

ウェサック前後は、町中がランタンで飾り付けられます。このランタンは毎年、家族で手作りされるのが基本のようですが、コロンボでは当日の1・2週間前から、ランタンを売る店が道路脇に連なっていました。村では、軒先に手作りのランタンが下げられます(写真1)。そして、夜は村のお寺にみんなが集まり、ランタンを飾り付け、(写真2。)、オイルランプに火を灯し(写真3)、礼拝をします。

そして、ウェサックでは「ダンサル」も各地で行われます。ウェサック当日、地域コミュニティや宗教団体によってダンサルが様々な場所で開かれ、食事や飲みものが人々に提供されます。誰が行っても歓迎されて、たくさんの種類のカレーや、アイスクリームなどが振る舞われます。ちょうどウェサック当日、私はコロンボからデニヤヤへバスで移動していたのですが、道路脇にいくつものダンサル会場を見ました。人々が集まって、食事や会話を楽しんでいました。ただし、人々が楽しんでいるダンサルですが、衛生管理について少し問題視されているようです。というのは、規模の大きなものは衛生管理局に事前に登録され、衛生状況をチェックされているようですが、登録されていないものも多数あり、衛生管理体制が問題とされているようです。私はスリランカに来てから、普段は食品の衛生管理にそんなに特別に神経質になる必要がなかったので、新聞でこの問題についての記事を見た時は、少し驚きました。

私は村で比較的静かなウェサックを過ごしましたが、テレビではコロンボやマータラ、他の都市での飾り付けの様子が紹介され、随分とにぎわっているようでした。遊園地の夜のパレードのような電飾でキラキラに飾り付けられた山車のようなものが並んでいました。

ところで、ウェサックは仏教徒のお祭りですが、テレビでは大統領や他の宗教の指導者たちが一緒にウェサックの儀式に参加している様子が紹介され、それぞれがウェサックによせてのトークをしていました。すべてシンハラ語でしたので、詳細は分からないのですが、みんな一様に「宗教の違い越えて国を発展させていかなくてはいけない」というようなことを話していたようです。これが単なるお祭り騒ぎでのパフォーマンスでは無く、実際に宗教間、民族間の対立の解消につながる具体的な政策として進められることを望んでやみません。

(パルシック 高橋知里)