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スリランカ農村暮らしの日々[2]


日本の茶畑と異なって、バナナの木や椰子の木が茶畑に生えている。

紅茶とスリランカ伝統の甘い揚げ菓子。手前のカップが私用、奥のカップは遊びに来ていた子供用。

こんにちは、スリランカはキリウェラガマから高橋です。ちなみに、キリウェラガマの「ガマ」というのは、シンハラ語で「村」の意です。日本語に直すと、キリウェラ村といったところでしょうか。今日はスリランカの紅茶、特に南部の紅茶と、スリランカでの紅茶の習慣について紹介します。

スリランカの紅茶と一口で言っても、地域(主に産地の高度)によって随分と特徴が異なります。簡単に見てみると、標高2000mまでの高い地域で栽培されている紅茶はハイ・グロウンティー、標高700m~1200mの中高地のミディアム・グロウンティー、標高700mくらいまでの低地はロウ・グロウンティーと呼ばれています。高地で採れる紅茶には、日本では比較的高級な紅茶として有名なウバ茶などがあります。一方、私の滞在する南部の低地で生産されているのはルフナ茶と呼ばれるお茶です。スリランカの紅茶生産量のうち、60%ほどが南部のルフナ茶ですが、その多くがロシアや中東へ輸出されており、日本にはあまり輸出されていません。そのため、日本ではセイロンティー専門店などに行かない限り、あまり見ることがありません。

ルフナ茶の特徴としては、強い香りとコク、そして濃い水色(すいしょく:紅茶の色)が挙げられます。そして、その香りはスモーキーと形容されることがあり、他の紅茶に比べて少しクセがあるとも言われています。紅茶工場を訪問した際にいただいたミルクと砂糖たっぷりのルフナ茶は、紅茶というよりもコーヒーのようなコクを感じるもので、とてもおいしかったです。ミルクや砂糖を入れずにストレートで飲むと、少し草のような香りを感じることがあります。


いつもはお母さんが淹れてくれますが、この日は特別にお父さんが淹れてくれました。

スリランカは紅茶の国ですので、人々の生活に紅茶は欠かせません。私は農家のお宅にホームステイさせてもらっているのですが、1日はベッドティーから始まります。と言っても、私の場合はベッドではなく、リビングで子供達が学校に行く準備をしているのを眺めながら、ミルクと砂糖たっぷりの紅茶をいただいています。その後、10時頃にお茶とお菓子やバナナが出されます。午後2時頃にはアフタヌーンティです。この時も、お茶にお菓子やバナナが一緒に出されます。この後、夕食までの間、お客さんが来たりすると、また一緒にお茶をいただくことがあります。

また、スリランカは南の島で、私の滞在している所は紅茶の生産地としては標高も低いのですが、雨が降ったりすると夕方くらいから肌寒くなります。そんな時にも、1杯の紅茶で暖まったりします。もしも、どこかのお宅やオフィスをお茶の時間に訪問すれば紅茶をいただけますので、たとえ家でティータイムを逃しても、1日3、4杯は必ずお茶をいただくことになります。ちなみに、本場の紅茶は家庭では案外おおざっぱな方法で淹れられています。プラスティックの大きなカップに茶葉(スリランカでは、ダストと呼ばれる細かく砕かれた茶葉を使うのが一般的です)を入れ、ポットからお湯を注ぎます。そして、大きな茶こしを使って、プラスティックのカップからティーカップにお茶を注ぎます。ティーカップにはすでにたっぷりのお砂糖が入っています。

おもしろいことに、日本のように食後のお茶という習慣はないようです。また、日本や欧米諸国でお馴染みのアールグレイなどのフレーバーティーは、スリランカではほとんど飲まれていません。試しに、村の人にアールグレイティーを飲んでもらったところ、かなり不評でした。生まれて初めて飲んだらしく、なんと表現していいのかわからないようで、「辛い」と言う人もいました。

私のシンハラ語の上達は亀のような歩みですが、最近はお茶をもらう際に「ポドォック シーニー(お砂糖少なくして)」もしくは「シーニー エパ(お砂糖入れないで)」と頼めるようになりました。

(パルシック 高橋知里)