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| マングローブの植樹 | PIFWAのメンバーたち |
マレーシア・ペナンには、地域の沿岸漁民が組織する、PIFWA(Penang Inshore Fishermen Welfare Association)という漁民団体があります。地域で沿岸漁業を行う漁民が中心となり、環境保護に自主的に取り組んでいる、アジアでも稀有な市民活動団体です。近海や河川でエビ、カニ、貝や魚を獲る漁民たちが、ボランティアで活動に参加しており、現在の会員数は約30名。10名からなる委員会メンバーは、それぞれ担当の地域を持ち、排水による沿岸の水質汚染や、自然災害など、各地域の漁民が抱える問題を、一緒に解決しています。近年PIFWAが力を入れているのが、マングローブの植林事業。工場や生活排水による水質汚染、エビの養殖池の建設、沿岸の開発などにより、ペナン近郊のマングローブ林が減少する中、失われたマングローブ林を再生し、沿岸の資源を守ることを目的としています。1994年に植林事業を始め、現在に至るまで、ペナン州だけで、16万本の苗木を植えてきました。現在は、PIFWAメンバーだけでなく、地元に工場を持つ企業のスタッフや学生など、様々なセクターからの参加があります。マングローブの林は、カニや巻貝など、漁民にとっての収入源の宝庫でもあります。漁民のメンバーは、それらの収穫を日ごとに売り、生活の糧としています。様々な生態系の棲家となるだけでなく、渡り鳥の寄宿地にもなるマングローブ林。2004年の津波の後は、災害から人びとの暮らしを守る防波堤の役割としても注目を集めています。世界的に損失の大きいマングローブ林は、各地で再生の取り組みが行われています。巨額の資金を投入する外部のプロジェクトよりも、地域の植生や環境を良く知る人々が中心となって行う、小規模の取り組みの方が、植林したマングローブの生存率が格段に高いという調査結果もあり、PIFWAが行う植林活動は、そのような観点からも、貴重な活動であると言えます。
もう1点、PIFWAが地域のコミュニティと協働で行っているのが、エビの孵化事業。川エビの卵を孵化場で孵化させ、稚エビの一部を近隣の川に放流しています。水質の汚染により、川エビの収穫量が減ったことを、漁業局の職員が巡回に来た際に相談し、その時に孵化場のアイディアを得て、地域住民の人たちだけの力で実現にこぎつけました。エビの孵化を行っている場所は他にもありますが、孵した稚エビを川に放流しているのは、他に例がないとのこと。すべてを売った方が直接的な現金収入が得られるのに、稚エビを放流することに地域の人々も理解を示してくれているのは、これまでの活動実績と、信頼関係によるものだ、とPIFWAのメンバーは言います。地域の環境を地道に改善してゆくことが、長期的な視野でより多くの人々の生活改善につながることが、PIFWAの活動により、理解され始めています。
PIFWAの事務所の近くには、国内外の人々に、マングローブ林を守ることの重要性を伝えるための教育センターの建設も始まっています。環境保護の取り組みは、地域住民が一体となり、理解を進めてゆくことが重要です。これからの未来を担う、若者たちに、ぜひたくさん活動を見に来てほしい、と、PIFWAのメンバーは語っています。パルシックは、2010年からPIFWAの植林活動への資材の提供などの支援を始め、今後も、協働を進めていきます。







