PARCIC

西岸地区ジャマインでの地域循環型農業事業(2016年~)

パレスチナ西岸地区ジャマインにて、地域社会の環境意識の向上、分別・再利用を通したゴミの減量、作物栽培の生産量の拡大に取り組んでいます。

イスラエル占領下のパレスチナヨルダン川西岸地区ナブルス県ジャマイン(Jamma’in)において、循環型社会の形成を目的とした事業を、2016年より開始しました。

ジャマインはパレスチナ西岸地区北部に位置しており、県の中心地であるナブルス市から約11km南にあります。人口は6,131人(1,010世帯)で、主要産業はイスラエル輸出用の採石業およびオリーブ栽培を中心とした農業です。

ジャマインでは日々、1.5エーカーほどの空地にゴミが集積・投棄されています。これは、ジャマインにゴミ処理施設がなく、隣県ジェニンの設備の整ったゴミ処理場に輸送しようとしてもイスラエルの占領政策の下での移動には制限があり、町役場も専用のゴミ収集車を所有していないためです。

現在ゴミが集積されている空地の収容量を超えれば、周囲に広がるオリーブ畑が切拓かれ、新たな「集積場」が作られます。調査の結果、この集積場に投棄されるゴミの85%を生ゴミが占めていることが分かりました。集積場の拡大を防ぎ、オリーブ畑を保全するためには、投棄されるゴミの大部分を占める生ゴミを減量することが求められます。

さらに、プラスチックや金属、ビン・かんのゴミの分別は行われておらず、資源ゴミや有機ゴミのリサイクル率は1%に満たないことも分かりました。きちんとした設備を用いずにこれらのゴミを焼却することも普段から行われており、当該地域でも焼却による有害物質の排出や火が周囲の畑に燃え広がることもあります。

パルシックは、ジャマインにおける循環型社会の形成を目的として、地域社会の環境意識の向上、分別・再利用を通したゴミの減量、また、雨水や生ゴミなどの循環資源を有効活用して、作物栽培の生産量の拡大に取り組んでいます。

学校と家庭から始める環境問題の意識化

ジャマインでは、村の人口の半数近くを18歳以下の子どもが占めているため、5つの公立学校の子どもたちを対象に「環境クラブ」を立ち上げ、学校菜園と家庭の生ゴミを利用した有機堆肥作りを通して実践型の環境教育を行うことで、子どもたちの意識向上を図ります。

また、女性を対象に、生ゴミから有機堆肥を作るトレーニングを行います。有機堆肥は、女性組合の菜園で使用し、採れた野菜やハーブは、自家消費のほか組合が販売する調理パンに使用します。

生ゴミを再利用した有機堆肥による女性組合菜園・家庭菜園の生産性向上

ジャマインは、利用可能なゴミ処理施設や地域内の資源が限られている閉鎖的な農村コミュニティです。パレスチナの農業では一般に、土地が限られているがゆえに生産性向上を求めて過剰な化学肥料を使用し、土壌が痩せていくことが問題となっています。低コストの有機堆肥を自らの手で作成し、施肥することで、良質な土壌で持続可能な野菜・ハーブの生産を続けられるようになります。

※この事業は地球環境基金の助成および皆さまからのご支援によって実施しています。
地球環境基金

この事業への寄付方法

パルシックのオンラインショップ「パルマルシェ」で、この事業へのご寄付を1口500円から受け付けております。 みなさまのご支援をお待ちしております。
パルシックのパレスチナでの活動へ寄付:フェアトレードショップ「パルマルシェ」

スタッフレポート

西岸地区でも事業始動!

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